植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

原発も我が家と同じ築60年のボロ家

2022年03月23日 | 時事
 先日の激しい雨で当家は雨漏りがいたしました。台所と居間との境の天井からぽたぽたと落ちてきて、防止のため急遽屋根裏に登ったのです。当然補修などで来るはずもなく、バケツをあてがって水滴を受けるだけの事であります。築60年近い古家ですが、腕のいい大工さんに建ててもらったせいか、今もわずかな雨漏り程度で済んでおります。

 しかし、60年前の日本家屋ですから、基本は障子とふすま、床は畳であります。天井も高く夏は快適ですが、断熱材も使わず、薄いガラスのサッシなども古いものなので、冬は隙間風が入り外気温とほとんど室温が変わらないのです。ウチを訪ねて来る友人は、室内でジャンパーや防寒着を着たままのワタシを見て驚くのが通例であります。

 そうして、昨日寒い新潟から2年ぶりに長男親子が帰省してまいりました。車の運転が好きで、子供たちを連れて遠出していたのが、コロナで盆暮にも戻れませんでした。久しぶりに見る倅はダイエット・ジム通いのおかげで見違えるように体が絞れて、頼もしくなっておりました。以前は過食暴飲によって相撲取りのような体形になり肝臓などの数値が大幅に悪化していたようなのです。
 
 開口一番「この家は寒いなぁ」でありました。彼の纏っていた体脂肪(ミートテック(笑))が減ったせいではありません。季節外れの低気圧・冬並みの寒波で気温が2,3度まで下がり家の中はいくら石油ストーブを焚いても寒いのです。(その代わり換気は不要笑)ワタシは当然ながら防寒着を身に付けていますが、車で移動してきた彼らは、家の中ではトレーナー1枚になるのが当たり前で、寒い部屋にびっくりしたのです。よほど身に沁みたのかその後も4,5回寒いなぁを連発しておりました。

 それにしても、前日、電力がひっ迫しているので計画停電もありうる、節電をしてと盛んに呼びかけていました。1週間前の大地震で一部の発電施設が停止した影響で、発電と使用電力のバランスが取れず、能力以上の使用があると大規模停電となる可能性があるというのです。

 先日の地震では、首都圏を中心に1,2時間の停電が数百万戸で発生しました。この時は一部の発電所が緊急停止し、他の設備に負荷がかかりすぎるため自動的に供給を止めるシステムが作動したというのです。なんかおかしい。会社の設備の方が大事なのでしょうが、そのためどれだけ市民生活に支障が出ると思っています?

 あの東日本大震災のあと、東京電力の対応や政府の原発依存推進に対して多くの国民が疑念を抱き、再生可能エネルギーの普及や原発の存廃が議論されました。それを機に「太陽光発電」も推奨され電力会社が買い取るから、と個人住宅でもずいぶん導入したのです。ところが、売電は買い取り停止となり無償なら引き取りますとか意味不明な仕組みに代わっています。個人にソーラーパネルを買わせといて、はしごを外しました。

 そもそも、全国で電力供給が脆弱で不安定な要因は、電力の根本の仕組みが全国10電力会社で別個に独立して相互に電気を融通できないこと、原子力発電に偏った火力発電中心であること、発電しても蓄電できないので、いざという時に即時停電となることなどにあることが明白なのです。そうした構造的問題を解決しようとしていないように見えるのです。

 水力・地熱・風力・太陽光すべてを複合的に組み合わせ、脱原発で安定供給できるシステムに変えるということが進んでいないのです。1963製造の日本初、東海発電所からすでに60年、他の原発も当初40年が運転期間と言われていたものが20年延長可能としました。ワタシのボロ家並みに老朽化した原発がすでに半数を占めるようになっているのです。

 震度4くらいで簡単に停電する給電システムってどうなんでしょう。しかもテレビが付かないから地震の状況は分からず、東電からは全く事情も状況説明もないままでありました。それで、ちょっと寒くなったら、こんどは100%越えとなるから暖房や照明を使わないで、と言うのです。なんなの?東電ぶったるんでる!と思います。

 少しうがった見方をすると「ウクライナ紛争」で原油価格が高騰し、火力発電に必要な量が確保できなくなっている、あるいはコストが急に上がっていてこれを電気料に転嫁できない、といった裏事情があるような気がします。政府の原油備蓄や電力政策の落ち度を露呈するのがいやなのかも。

 テレビでは、視聴者に向かって、照明を暗くしてとか暖房を止めてとかなんとか言ってました。違うなぁ、「たいした番組はやってませんから、今日一日はテレビをつけないで過ごしましょう。そして室内でもジャンパーや防寒着を着込んでくださいね」位の事が言えないんでしょうかね。

 
 
コメント (1)
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