植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

始まりの4月「辛丑卯月」

2021年04月09日 | 時事
 書道や篆刻で、作品を仕上げる最後の作業が「落款」を入れることです。
作者名の他、年月日や場所を入れたりします。
年月は必須ではありませんが、名前だけだと少し簡素で物足らないので加える、とか自分がいつ作成したかを記録するような意味合いもあります。

 今年は令和3年、これを通常は「辛丑」と表します。十干十二支という言葉がありますね。毎年順番に子丑寅と続いて12年経つとまた元に戻ります。これに十干は甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き) 、この10文字は陰陽(兄弟)の関係で5組に分かれ十二支と組み合わされて暦年を表記したのです。5×12=60で、これを干支60種 といい、60年経つと暦が戻る、つまり還暦となるのですね。
 
 落款にこの干支を入れることで作成年がわかります。西暦や和暦をいれるのは野暮としたもののようです。勢い月日も異名を使います。一般的な睦月、如月~師走といった表記の他にも中国では様々な呼び方があるようです。例えば4月は、卯月ですが、植月、卯花月、余月、槐夏、あるいは始まりを意味する
首夏・初夏・早夏・新夏など何十となく用いるのです。

 さらに日にちは、朔日(1日)から季節に応じて様々な呼び名があり、上旬なら、上浣・上澣 と書くこともあります。特定の節季日を用いるのもあり、例えば昨日はお釈迦様の誕生日「佛生日」なので、昨日作ったものの落款は「辛丑余月佛生日」と入れたりします。

俳句や短歌をされる方たちは、こんな知識は当然のようですが。ワタシは書道をやるまで全く存じませんでした。

 さて前置きはこのぐらいで、「始まり」の4月であります。入学したり就職、転勤したりして人生の節目や新しい生活の始まりが4月なのです。入社式は1日、ここ数日は入学式のシーズンですね。新潟に居るワタシの孫も今日が小学1年生の入学式であります。近ければ入学式にも行けるのですが。・・・お祝いもこちらはランドセル代を贈るくらいのことしかできません。健やかに育ち学校で友達をたくさん作って欲しいと願うばかりであります。

 一方4月は異動転勤の季節でもあります。全国で歓送迎会が行われ、お役人の間では大人数の宴会をしていると報道され、一部では感染者・クラスターが発生しているのです。そのまんま東さんが、「役人は歓送迎会が大好きです」と強調していましたが、正確には役人の最大の関心事が自分の出世と役所内の親分子分の異動情報なのです。

 内示が始まる3月後半から仕事そっちのけでひそひそと噂話、辞令が出ると1,2週間は各部局へあいさつ回り、その延長で何度も歓送迎会が繰り広げられます。コロナなどどこ吹く風、そこで出世や自分の栄転につながる関係作りが一番大事な仕事なのです。次官や局長候補と目される人には、自分も気に入られようと役人が群がります。そうでなくても有力な人脈に入ることが出世の早道なのです。彼らは、コロナで給料は一円も減らないし、そのうちワクチン打てばいいと思っているので、「緊張感」などないのです。

 長引く自粛生活、飲酒もかなり抑制されてきましたから「緊急事態宣言」が五月雨式に解除され、一気に気が緩み、役人のみならず世の吞兵衛たちがどっと繰り出すようになったのですね。関西圏が早く解除されたので、その分早くコロナの押し寄せました。沖縄では、都会に出た学生が戻ってきて、旧友と会食し、おじいやおばあに感染させていると聞きます。

 いよいよ東京都も蔓延防止等重点措置 が始まりました。「緊急事態」にマヒしたので名前を変えただけで、大した違いはありません。「マンボウ」と略されていかにも気が抜けた措置にしか感じられません。政府の関係者が「マンボウ」と略さない様苦言を呈してるそうですがアホな話であります。案の定、この4月に明確に第4波が始まりました。ワクチン接種は始まりません。嗚呼無情(なさけない)であります。

コメント
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