植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ヨトウムシ あぁ口にするだにおぞましい

2020年04月28日 | 植物
コロナ肺炎のための自粛で、ガーデンニングが見直されているようですね。いいことです。

戦闘開始であります。もう8年間あいつらと暗闘を繰り広げております。

 先日、ホウレンソウの葉裏に「ヨトウムシの」卵を発見いたしました。蛾である夜盗蛾はブロッコリーやキャベツ、白菜などの葉物を中心に卵を産み付けます。1,2㎝四方にびっしりと産卵し、1週間から10日経つと孵化します。この幼虫はしばらく同じ場所で共同で葉を食べてから体力がつくと地面に潜ります。

 その後は、夜中になるとはい出してきて作物を食い荒らすようになります。それで夜盗虫という名前がつきました。晩秋まで爆食し蛹になり羽化するを繰り返します。中には老齢幼虫として冬越し春に孵化するのです。園芸、農業をやるかたはみんなご存じであります。これで、芋から茎、葉、花、実なんでも食害にあっています。種まきしてニンジンの若葉が立ち上がったころ、軒並み茎を食われて全滅ということから、収穫間際のキャベツを真っ二つに食い裂くなんてこともありました。

 ガーデニングを始めて1,2年で、この害虫の存在に気づき、夜中に割りばしで退治したり、米ぬかで誘引したりいたしました。葉っぱなどに食害が見られ、虫が見当たらない、黒っぽい糞が残っていたら、まずこのヨトウムシと思って間違いありません。とにかく、菜園の大敵です。バラの蕾さえ齧っていきます。

 以来毎年、ヨトウムシの被害に悩まされ、対策をとってきました。有効策は産卵させないということ「水際作戦」です。防虫ネットで野菜を覆うのが一番と思いますが、普段の手入れが面倒です。施肥・草取り・アブラムシなどのチェックなどネットが邪魔なのです。すると極端には、産卵する野菜を植えない(または制限する)ということも必要です。食害が無いトウモロコシやイネ科、ネギ類などを除き、すでに植えている野菜は早めに収穫するのがいいと思います。現実に、ほうれん草は数日内に全部掘り上げるつもりです。厄介なことに、ヨトウムシは雑草にすら産卵しますから、草花もはやさないようにします。隔離作戦ですね。

 次に、葉っぱの観察です。ブロッコリーやキャベツなどの大きめの若い葉の裏に産卵します。同じ場所とは限らず、近くの葉に分散させるという狡猾な産み方をします。こうした野菜を毎朝点検して産み付けたものを見つけたら葉っぱごとちぎって取るか、殺虫スプレーを一吹きするかです。若い葉を傷めないようにしますね。日にちが経つと白い卵が黒ずんできて孵化します。うじゃうじゃと小さな幼虫が生まれます。葉っぱが葉脈だけを残して食害されるので気づくことも多いですね。これも、葉を切り取るのが有効ですが、白い糸を出して他の葉に落下するので油断できません。これも殺虫剤の方がいいかもしれません。クラスター発生の特定・防止が大事なのです。

 これを過ぎると、土中に隠れるので非常に駆除が難しくなります。コロナで言えば感染源特定不能みたいなことになりましょうか。早めに専門の薬剤を葉にかけます。幼虫も若いころは薬で殺せます。また、発生場所がはっきりしているなら濃目の殺虫剤を株元に潅注します。ゼンターリ顆粒水和剤あたりが有名な薬剤になります。

 これを更に見過ごしていると、ヨトウムシが老齢に達し、食害もピークとなり薬剤もほとんど効かなくなります。こうなると捕殺するか強い殺虫剤の広範囲の大量散布しかありません。殺虫剤は、口に入れる野菜なので、用法通りとしてもやはり避けたいものです。米ぬかで誘い出すか、懐中電灯で夜中に退治するか、株元を掘って見つけて駆除、という方法になります。これはもう大変なのですね。
 
 というわけで、そうならないため現段階では、薄く用量を下回る薄めた薬剤散布と、葉裏チェックになります。毎朝、キャベツとスナップエンドウの葉を点検します。
 
写真は「閲覧注意」というくらい、卵も幼虫も蛾もグロくて気持ち悪いものなのでお見せしません。見たい人はネットで探してください。

 これから、半年地道にあいつらとの戦争をつづけるしかありません。
 
コメント
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