植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

半紙半疑 紙探しの旅は続く

2020年04月17日 | 書道
相変わらず、半紙の話です。もはや、ワタシは、数少ない半紙研究者の第3人者くらいになっていそうです。もし、書道学部半紙学科があったら准教授くらいになれるかもしれません。
 半紙はヤフオクで沢山届いて、量に不足はありません。2年分くらい買わずに済むほどの備蓄となっています。しかし、一つだけ心配があるのは、最もお気に入りで、ワタシの字を実力以上に美しく見せてくれる手漉き半紙が、すこしずつ減っていることです。毎日の練習で、少し筆が乗ってきたときに、とっておきのこの半紙に「本番」のつもりで書きます。
 高い紙なので雑に書けないというプレッシャーで、いい方に緊張感・集中力が増すので割合出来のいい字が書けます。そんな理由で、500枚ほどの最高級半紙「晃星」が、一日2枚以上無くなるのです。

 手漉きの和紙といえば、書道紙では「因州(鳥取)」「石州(島根)」が国の無形文化財に指定されるなど有名ですが、とてももったいなくて練習用には使えません。しかし、汎用品・普及品ならば全国に製紙会社があります。
 製紙業の生産量でいえば、総合的な紙なら静岡県が一番でティッシュペーパーなどの日用品・パルプ生産品が主体です。埼玉県も生産量は多いのですが、こちらは段ボールの工場が多いからだそうです。伝統的な書道用紙については愛媛県が特産と言えるでしょう。「伊予和紙」というブランドが有名ですが、四国中央市というところが有数の製紙工場が集中するエリアだそうです。

 ワタシの半紙の在庫はほとんどすべてがヤフオクで入手した年代物。売っているところ、製造している所もわかりません。中には包装が無く紙だけのものもあります。包装紙(箱)があるものでも、製造工場などは書かれてありません。中には、販売社名記載もありますが、古いものゆえネットで検索してもほとんど出て来ません。倒産・廃業した会社が多いようです。つまり、オークションで落とした古い半紙は、基本的に現在は販売されておらず、同一のものはまずないと思っていいのであります。

 それでも前述の半紙「晃星」という銘柄のものは、手掛かりがあり、丸の枠にカタカナで「ス」、という商標(社章)が押されていました。

 この社章が押されている半紙の包みの画像をネットで探すと、1、2出てまいりました。このHPがあることも発見しました。会社名が(株)スギウラかー、見つけたぞ、しかし、文字化けしてちゃんと商品のページが説明されていません。
 それで、ままよとばかり、HPにあった電話番号に連絡しました。これが愛媛県の四国中央市であります。潰れてはいませんでしたよ。女性事務員と思われる人が電話口に出ましたが、これがなんともしがたい人物でした。

 「オークションで手に入れた『晃星』という書道半紙が書きやすく、探しているが古いものでもあり、販売していない。商標で貴社が合致するので、そういう商品・製品があるか調べて欲しい。」と伝えましたら、何度もちょっとお持ち下さいを繰り返すものの、まったく要領を得ません。
 回答は、「当社は卸なので小売りしていない。HPは何年も更新していない。買ったところで聞いてください、そういう商品を出した記録は無い、そもそもウチの会社で作ったものには、商品名が無い」などと、まったく取り付く島がありませんでした。

 卸売先の書道関係販売会社が勝手にパッケージにして、商品名を好きにつけるので、自社ではわかりかねる、ということなのです。ですが、自社の社章使ってる以上無関係なわけないでしょう。社で、最も上質な手漉き半紙はなんというものか、と尋ねても、当社は卸売りなので名前はありませんという回答でした。これってどうなの?こちらも、2千枚単位で購入したいので、取り扱っている書道店を教えてと食い下がっても、ちょっと教えられません、て素っ気無いのもほどがある。
 
 こちらは、売ってくれと言っているでなし、お宅の半紙が最高に使いやすいので、売っている所か商品名(リスト)がわかれば、そちらで買いたい、と言ってるのですよ。例えば、古参の人に代わるとか、販売の担当者につないで、当社は一括で商社に卸しています、そちらに問合せして、とか、ウチの一番上質な紙はこういう名前で流通してますよ、とかの回答が出来ないもんでしょうかね
ヽ(`Д´)ノプンプン

 結局20分ほど、収穫ゼロの不毛な会話をしただけで、電話を切ることになりました。こうして、この会社は、値の張る高級半紙を、割合沢山買ってくれるはずの顧客を一人失うことになりますな。こうした積み重ねが、長い目で見ると商売の盛衰に直結していると思います。愛想が悪い店員のいる店がつぶれる、みたいなものです。

 というわけで、ダメなものは駄目、まったく発想を変えることにいたしました。半紙を扱っている書道専門店にネットで「サンプル(お試し)」を探すのです。いくつかの会社にメールして、有料・無料各1セットを取り寄せることにしました。漢字作品用の手漉き和紙で、いろいろ取り混ぜ10種類ずつ入っているようです。書いてみて気に入ったらまとめて注文!なんと合理的なのか! 
 早速相手の「半紙屋e-shop」から受注の返信メールが来ました。住所は、なんと、愛媛県四国中央市、先ほどの会社と同じ地域なのでした。なんか、因縁を感じますが、安心は出来ません。愛想が良くても、味がいいとは限りませんから。
 
 これで、墨が紙にすっ、と入り、筆が思うがままに運べるような紙が見つかるとは限りません。あぁー🎶、日本のどこかに、ワタシを待ってる~紙がいる~🎶


コメント
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