松実ブログ

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そういう人間

2019年10月24日 07時35分35秒 | Weblog

つい先日は秋晴れの一日でした。
すごく清々しい気候でした。
最近は雨(それも大雨)や曇りの日が続いていたので、
余計に気持ち良く感じられました。

通勤
の為に鉄道を利用しています。
数日前、
「あと一駅」というところで電車が止まりました。

あと数分乗れば目的地まで到着するところで、
長時間足止めをくらいました。

止まった原因は明らかです。

電車を止めるほどの事故を起こしてしまったその人は、
どんなに辛かったでしょうか。
どんなに苦しかったでしょうか。

気持ちよく晴れた空、
少し冷たくて澄んだ空気とやわらかな秋空の陽の光をもってしても、
その方の心は少しばかりも晴れることはなかったと思うと、寂しいです。

駅は通勤、通学で先を急ぐ人々でごった返しています。
急いで電話をかける人、スマホを操作する人、
怒りの表情を浮かべている人、無表情の人。

オイラもはたから見れば「無表情の人」だったと思います。
しかし、心の中では涙がこぼれ落ちていました。

たった今、自分の目の前にあるこの線路に続く…
そのわずか数キロ、十数キロ先の線路で、
苦しみと悲しみが弾けた…。

そしてそれは数十分後、数時間後にまるで何も無かったかのように
「運転再開」という言葉で日常を取り戻してしまう現実があります。

オイラは、この流れ作業のような時間にうまく順応できません。
こういう出来事を前にして、立ち止まってしまう自分がいます。
大人だし、社会人だし、「自分には関係のないこと」と、
気持ちを切り換えて前に進むべきなのでしょう。
しかし、そんなに強くはなれない自分がいます。
心が痛むのです。
どこの誰だかも分からない相手の事故であっても胸が苦しくなるのです。

偽善者なのかもしれませんが、
昨日抱いた感覚は、このとおりでした。


「被災地」という場所がどんどん増えています。
少し前まで地震、津波、原発事故の爪痕、傷跡の残る場所を
指すことが主でしたが、
最近では台風による豪雨、暴風、洪水の爪痕や傷跡が残る場所
が加わってきました。

新聞等の報道を見ると、
その両方の被災地になっている場所があるようです。
福島県や宮城県の一部地域です。
8年前に被災地になり、そして最近もまた被災地になった。

該当する人にとれば、もう、言葉にならない程の絶望でしょう。

そんな経験、一度だって立ち直れないほどの痛みをともなうはずなのに…
二度とは…。

当たり前の生活が、一瞬で奪われていく…
神も仏も信じられなくなる瞬間とでも言うでしょうか。
大切な家族も家も畑も学校も職場も全てを失う地獄。
到底耐えられません。

一日も早い被災地の復旧復興を祈り、
そして亡くなられた方には哀悼の意を捧げます。
自分がやれることは引き続きできる範囲でやらせていただきます。
それしかできず、すきません。


素晴らしい皇室行事、
ラグビーワールドカップ、
プロ野球日本シリーズなどで盛り上がる一方、
少し世間に目を向ければ辛く悲しい出来事もそこかしこにあふれています。

偽善者のオイラは、
どちらかというと、その辛く悲しい出来事に目がい
き、
おそらくこれからも、そういう人間であり続けると思います。
それ自体、オイラの生き方ですから何でも無いのですが…。

これを読んだ方に誤解していただきたくないのは、
「優しい人だね」「いい人だね」と思わないでいただきたいのです。
(思わないか!!!)
むしろ、こんなことをブログで軽々しく言うやつは、
「信用ならん」「薄っぺらい」と思っていただければ幸いです。
実際、そのとおりの弱く情けない男なのですから。
「自虐」でもなんでもなく。

少し前にはキンモクセイの香りが街に漂っていました。
少し元気になる瞬間ですが、本当に短いですね、
キンモクセイが心地良く香る時間は。



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