今日も卒業生が会いに来てくれた。
結婚します、出産します。
そんな嬉しい報告を聞いていると、
こちらも幸せな気持ちになる。
世界に何十カ国、何十億人もいるなかで、
たまたま「松実」という場所で出会った私たち。
そのご縁に感謝ですね。
さて、先日たまたま間違って、ある卒業生に電話をかけてしまった。
かける意思はなくても、誤って違う相手にかけてしまう。
（私は、情けないことに、このようなことが結構あるのです）
「あ、やばい」と思いつつ、そのままにしておくと
その相手（卒業生）から、コールバックがありました。
卒「お久しぶりです。お元気ですか？着信があったので、なんだろうと思いかけました。」
S「お、そうだよね。ごめんごめん、間違ってかけちゃったんだ！！すまん、、すまん！」
卒「あ、そうだったんですか。・・・・・（沈黙）」
S「（S・沈黙にあせる）で、今何してるの？？？？」
（あ、しまった！！！！ この生徒は進学も就職もせずに卒業したんだ！！！）
卒「・・・・・・・え、えーと すいません・・・・・・・何もしていなんです。」
S「（やっぱかぁ・・・）おう、そっかそっか。まぁ、春日部近いから、
こんど学園に遊びにおいで！！連絡してよ！また、話そうぜ！！！」
卒「はい、わかりました。では、失礼します。」
と、その電話を切った。
沈黙を打破しようとした一言だったが、
「今何しているの？？？」という言葉は、
更にその沈黙を深化させた気がした。
もちろん、何もしてないわけがない。
進学したが、もしくはアルバイトしたが、
今は辞めて、たまたま「何もしていない」状態にあったのだろう。
私が考えらせられたのは、「何もしていない」という言葉より、
「すいません」という言葉だった。
担任してもらい、卒業まで導いてもらい、
それなのに「何もしていない」と思わせてしまったのではないか。
だから、「すいません」と卒業生は言ったのではないか。
もしかしたら、学園に相談しようと思ったんじゃないか？？
でも、S先生は「おうどうしたんだ？何してる？」きっとそう言うに違いない。
仮に正直に話したとしたら、また「お前ダメだなー」と言われるかもしれない。
「怖いし、否定されるようで嫌だ！！！」
じゃ、行くのやめとこ・・・・・・って。
もしくは、俺たち卒業生は先生たちのお陰で卒業できた。
今は在校生のために、全力投球している。自分たちにもそうしてくれた。
だからこそ、卒業してまで、迷惑かけられないよな・・・・。
じゃ、行くのやめとこ・・・・・・って。
本当のところは、本人に確認していないので言及はできない。
が、なんとなく、その卒業生が思っている気がして、
後悔と反省と自分に薄っぺらさにちょっとだけ腹がたった。
私は、どんな卒業生でも職業や学歴で人を判断したりはしない。
何かをしてても、何かをしていなくても可愛い卒業生に違いはない。
上手くいっている嬉しい報告も聞きたいが、愚痴や悩みも聞いていきたい。
進路指導も、できればやりたい。力になりたいし、応援したい。
皆さんが本当の意味で「自立と共生」ができているか見届けたい。
そんな風に思っています。
弱っているときほど、学園を頼ってください。
S
