松実ブログ

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いそぐべからず

2008年08月26日 22時07分36秒 | Weblog
夏休みももうすぐ終わり。
長い夏休みの間、毎日のように学園に遊びに来ていた男の子が先日、日光東照宮に行ったと、その思い出話を伝えてくれるのと一緒にパンフレットを見せてくれました。
そのパンフレットの最後のページに、とても心に残った文章が載っていたので、紹介したいと思います。


  人の一生は重荷を負て 遠き道をゆくが如し
  いそぐべからず 不自由を常とおもへば不足なし
  こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし
  堪忍は無事長久の基 いかりは敵とおもへ
  勝事ばかり知てまくる事を知らざれば害その身にいたる
  おのれを責めて人をせむるな
  及ばざるは過たるよりまされり


古文で書いてあるわけ、訳がわからないと思いますので(特に古典の勉強を始めたばかりの13~14歳のみなさんは何を言ってるの?ですよね)、ちょっと現代語に直してみますと…

  人の一生とは、重い荷物を負って、遠い道を行くようなものである。 
  急いではいけない。不自由なことが普通の状態だと思えば、何事にも不足はな  い。
  心の中にあれがほしい、これがほしいという欲望が生じたならば、苦しかった  時の事を思い出すべきである。
  耐え忍ぶことは、無事に長く久しく過ごすことの基となる。
  怒りの感情は自分にとって敵だと思え。
  勝ってばかりいて、負けることを知らなければ、害がその身にやってくる。
  自分を責めることはあっても人を責めてはいけない。
  及んでいない(足りていない)状態は、多過ぎる状態よりも優っている。


 この言葉を読んでから、うまくいかないことがあると
「人の一生は重荷を負って、遠き道をゆくが如し…あせらない、あせらない」
と心のなかでぶつぶつつぶやくようになりました。
恵まれていることに感謝すること、事足りることを忘れて、もっともっととなりそうな時、この言葉を思い出そうと思います。
Sくん、教えてくれてありがとう!



      あや