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ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

市来ダム

2022-06-05 12:00:00 | 鹿児島県
2022年5月22日 市来ダム
 
市来ダムは鹿児島県いちき串木野市川上の二級河川八房川本流にある農地防災目的のロックフィルダムです。
鹿児島県では県管理の一級河川および二級河川の防災については主として農水省(農林省)の補助を受けた防災ダム事業によって実施され、昭和40年代から50年代にかけて鹿児島地域及び北薩地域に計7基の農地防災ダムが建設されました。
市来ダムもその一つで、1970年(昭和45年)に着手された農水省の補助を受けた県営防災ダム事業市来地区により着工され、1981年(昭和56年)に竣工しました。
完成後は市来町が管理を受託していましたが、2005年(平成16年)の市町村合併により現在はいちき串木野市が管理を引き継ぎ、八房川流域約225ヘクタールの農地防災を担っています。

市来ダムは県道308号線沿いにあり、県道から堤体を望めます。
堤高41メートル、堤頂長130メートルのロックフィルダムですが、下流面には芝が張られ見た目はアースフィルのようです。


ダム下に向かうと、左手に常用洪水吐からの放流路が現れます。
普段はダム右岸にある斜樋型の常用洪水吐から流入量をそのまま放流しています。


こちらはダム右岸の洪水吐斜水路。
ダム下からは洪水吐と堤体を一望できる場所はありません。


ダムサイトに上がります。
左岸県道わきに建つ竣工記念碑。
文字は金箔ではありません。

上流面。


総貯水容量210万3000立米、うち有効貯水容量193万立米で堆砂容量17万3000立米分だけ貯留されています。


上流面に残る線路上の遺構?
どうやらインクライン跡のようですが、今はもう使われていないようです。


右岸の管理事務所と横越流式洪水吐
職員は常駐していません。


洪水吐斜水路
減勢工にはエンドシルがあります。


非常用洪水吐となる横越流式洪水吐
設計最大放流量は580立米/秒。
この裏手に斜樋型の常用洪水吐があるんですが見ることはできません。


常用洪水吐の機械室。

(追記)
市来ダムには農地防災容量が配分されていますが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行うための予備放流容量が配分されました。

2870 市来ダム(1833)
鹿児島県いちき串木野市川上 
八房川水系八房川 
 
 
41メートル 
130メートル 
2103千㎥/1930千㎥ 
いちき串木野市 
1981年
◎治水協定が締結されたダム


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