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ネット・オークション:気を付けたい新手の出品業者

2018-10-08 14:25:08 | 東南アジア陶磁

過日、Yahooオークションの東南アジア陶磁を眺めていると、何とかならないかとの思いがよぎる。いわゆる贋作掴みである。このような業者が出品できない仕組み作りはできないものか?

悪質業者を出品させないためには、つかまされた場合に被害届が必要であるが、業者側は言い逃れがいくらでもできる。つまりは掴まされた側の自業自得で終わってしまう。今回紹介する陶磁の出品業者は静岡県の業者である。静岡は三島の〇〇斎が今でも?陶磁を出品しており、野放し状態か・・・自己防衛のためには賢くなる必要がある。今回話題にとりあげる陶磁を紹介する。出品作品名は”タイ陶磁器【カロン青磁印花文壺】13~14世紀”である。

先ず作品名であるが、カロン陶磁に青磁と黒褐釉の2色の掛分け釉は存在しない・・・とは断言できないが、長い経験から見たためしがない。掛分け釉と肩にある巻貝の双耳はサンカンペーン陶磁の特徴である。胴から肩にかけて四段の印花文が連なるが、その下から2段目は巻貝文様であるが、この手の巻貝は初見で、このような巻貝文様が本歌(本物)で存在するかどうか知らない。更に、カロンに刻花文は存在するが、印花文は存在しない。底を御覧願いたい、塗料か染料か、はたまた赤土をこすりつけたのか、稚拙な時代付けである。北タイ陶磁に伝世品はほとんどなく出土品である。とすれば、釉薬表面の貫入に土銹が見られず、氷裂文できれいそのもの。以上、本歌であり得ない理由を記した。

これが本歌で”ラオス帰りの北タイ陶磁の大壺”であれば、2-3万円であろうはずはなく、桁が1つも2つも足りない。出品名に13~14世紀と記述することは止めて欲しいものである。

またミャンマーの緑彩肖形も、同一業者から出品されている。これも?だ。入札者の方々はもう少し慎重になり、本歌を数多く見て勉強されてはどうか。

<了>

 


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