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北タイ名刹巡礼#14:ワット・ロックモーリ

2016-07-18 06:48:02 | 北タイの寺院
<Wat Lok Moli:ワット・ロックモーリ>

所在はチェンマイ旧市街を囲む掘割の北側である。ランナー朝第6代・クーナー王の創建で、仏塔は古く約500年前に建立されたものである。




境内にはランナー様式の仏像ばかりではなく、中国式の仏像も建立されている。
この寺院で注目すべきモニュメントがある。それは布薩堂の前に建立されているトンドークである。

加藤久美子名古屋大学教授によると、トンドークとは『花の木』で、小形の木の模型に金箔か銀箔を施して、枝先に金・銀の花や葉をつけたものと考られると云う。
中世の西双版納では、入安居・出安居・新年等の行事において、各ムン(ランナーでムアンと呼ぶ)に与えられた欽賜名(序列)に応じて、西双版納王に納めるトンドークの重さが決まっていたとのことである。
各地のムンを藩国と表現するなら、藩国の規模を欽賜名で表し、貢納品の多寡をトンドークの重さで表わす様は、何やら日本の封建制を想起させる。そのトンドークと思われるモニュメントが、この寺院に存在することは、ランナー世界でも適用されていたと思われる。
写真は布薩堂前にたつトンドークのモニュメントで、当時のトンドークもこのような姿であったろうと想像させられる。
古様を示す寺院である。チェンマイ旅行の際は、参拝されることをお薦めする。




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