まさおっちの眼

生きている「今」をどう見るか。まさおっちの発言集です。

母が特別養護老人ホームに入所した。

2013-03-02 | 随筆
京都で兄の隣に住むおふくろ92才が、昨日、兄に連れられて特別養護老人ホームに入所した。
「姨捨山に持っていったでー」と半分自嘲気味に兄は言う。
「ところが山のなかとちごうて、五階建ての新築のピカピカ、廊下なんてすべるぐらいや。自動扉で、冷暖房付、可愛い姉ちゃんはおるし、俺でも引っ越したいくらいや。個室で、風呂もトイレもある。明日はテレビを持っていくわ」と笑いながら言う。
母を、姉が3年、70才になる兄が6年看ていた。俺は東京にいて何もせずで、頭の下がる思いだ。
「時期としてはよかったかも知らん。わしももう体がしんどくなってきたしなあ」
老老介護は大変である。兄貴は本当によくやってくれたと思う。
母は認知もあって、喜怒哀楽の気性も若干激しい。ホームにうまくなじんでくれるといいのだが。
「まあ、うちの近くやし、毎日見に行くよ」。
「兄貴、ほっとして、今までの疲れが出んようになあ」
人生の終わり近くなってくると、なかなか辛いものがある。