飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

乱歩を巡る言葉27・・・柘榴石の秘密・紅玉色の傲慢・孔雀石のアンドロギュヌス/美輪明宏

2006-10-30 | 江戸川乱歩
柘榴石の秘密・紅玉色の傲慢・孔雀石のアンドロギュヌス/美輪明宏
乱歩(下)/講談社

三輪明宏は寺山修司の「毛皮のマリー」はじめその実験演劇に参加していた。そして寺山がライバル視したという三島由紀夫がリ・ライトした「黒蜥蜴」の演劇や映画に主演しはまり役となった。江戸川乱歩、寺山修司、三島由紀夫そして三輪明宏・・・。



“江戸川乱歩はアールデコの代表ですよ。あの頽廃美・・・・・・ゴージャスなのよねぇ。江戸川乱歩の小説どれ読んでも、或るデカダンスな頽廃的なムードが漂っている。そして豪華。そうね、宝石とか、黒のサテンのイメージ。黒のサテンに宝石が無造作にころがってる、それが乱歩の世界じゃないでしょうか。単にエロ・グロじゃあない。・・・

音楽でいえば、コンチネンタル・タンゴ、ドイツ・タンゴだとか、あの頃流行ったシャンソン、ワルツとかね、そういうものが似合う世界。とにかく江戸川乱歩は耽美的。”



“私のイメージからすると、明智小五郎っていうのは、そうね、背格好からいくと野球やめた江本?江本孟紀さんがぴったりですね。背の高さ体つきはこの人だってはっきりしているんですが、あと顔は・・・・・・頬骨がはっててね、眉毛が太くて眉毛がいっぱいあって・・・・・・しいていえば、“酔いどれ天使”の頃の三船敏郎と宅麻伸や名高達男や神田正輝の優しい甘い感じをミックスした顔、雰囲気。そしてもう一つ付け加えたいのはね、三島由紀夫と松岡正剛の知性。そいう役者さんがいれば、黒蜥蜴をまた是非やりたい。

黒蜥蜴役はカラダの線から言うと松坂慶子でしょうね。顔はね、岡田嘉子の若い頃ですよ。ふっくらしているけど目が大きくて鼻が高くて、岡田嘉子をもっと妖し気にした感じ。今の女優さんでは、まずいない。今は、ガールばっかりでしょ、チンピラばかり、ウーマンじゃないでしょ。ウーマンでないと黒蜥蜴はできません。”


 
“実際の江戸川乱歩さんにお会いしたのは、昭和27年のことです。私が国立音楽学校在学中に、アルバイトで歌っていた銀座のお店で中村勘三郎さんの紹介でした。江戸川さんは青白き美少年がお好きだったの。そうしてそういう美少年に蝋燭をたらして遊ぶタイプの方だという噂を聞いてましたから、何度かデートに誘われましたけど御辞退しました(笑)”




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