江戸川乱歩の研究？５９⇒「妖怪博士」から

乱歩の少年向け小説「妖怪博士」を読んでいくと、どこかで見たことがある状景だなと思ったら、ハリソンフォードが主演した冒険活劇「レイダーズ」ではないか！


◆大冒険活劇も見ることができる？奇想

“・・・パッと樽の蓋がとれ、床に落ちた燭台の蝋燭が、メラメラと異様に輝いたかと思うと、その赤茶けた光に照らされて、樽の中から、無数の青い紐のようなものが、もつれながら、床にこぼれ落ちて来るのが眺められました。・・・

その青黒い紐のようなものの正体が分かると、今度は別の驚きと恐れに、真青になって震え上がらないではいられませんでした。それは互いにもつれ合った、何百匹とも知れぬ蛇だったのです。

大小無数の蛇は、樽からこぼれ落ちますと、蝋燭の光に鱗をギラギラと光られながら、餓えた目を薄気味悪く輝かせ、赤黒い焔のような舌をチロチロと出して、獲物をさがすように、床の上を這い回り始めました。

それが、次から次へと、樽の中から溢れ出て来るのですから、見る見る地下室一杯に拡がり、コンクリートの床も見えぬほど、ヌメヌメとうねる波に覆われてしまいました。”


まさか、「レイダーズ」を監督したスピルバーグが、乱歩のこの少年小説を読んでいたなんてことはありえないよね。（あるわけないだろ）


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