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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

永遠の妖女#66・・楽劇「サロメ」(ミラノ・スカラ座2007年)

2011-03-02 | サロメ

~R.シュトラウス:楽劇『サロメ』全曲~

 

■ミラノ・スカラ座管弦楽団
■指揮:ダニエル・ハーディング
■演出:リュック・ボンディ
■出演サロメ:ナディア・ミヒャエル、ヨカナーン:ファルク・シュトルックマン、ヘロデ:ピーター・ブロンダー、ヘロディアス:イリス・フェルミリオン
■収録時期:2007年3月ミラノ・スカラ座

 

昨日の記事でアップしたとおりオペラ歌手のナディア・ミヒャエルが演じた楽劇「サロメ」を見たのですが、これがとてもよかったので、もう一本彼女が演じた「サロメ」がDVDで出ているのでそれを直ぐに購入しました。それが今日の記事の内容となります。

 

今回見たバージョンは、以前このブログでも書いたリュック・ボンディが演出しキャサリン・マルフィターノがサロメを演じた上演作品と同じものになります。ですからキャサリン・マルフィターノとの聞き比べ、見比べといったこともできるんでしょうね。うっすらと見覚えがある舞台装置からナディア・ミヒャエルが演じるサロメが登場します。彼女は髪型、化粧も違うのか、昨日に見たものより、より妖艶さが増しているように感じます。こちらのほうが大人の女性に見え、サロメはティーンエージャーである、とはとても見えない貫禄をそなえています。でも一人の女性としてみればとても綺麗です。

 

前半、サロメは執拗にヨカナーンに迫ります。跳ねつけられても跳ねつけられても懲りないサロメなのです。なぜそこまでに執着するのか?その夜は満月でルナティックな狂気がサロメを支配していたのでしょうか?ヨカナーンからお前は呪われた女と言われても、彼女は微笑みを浮かべヨカナーンとの接吻を望むのです。これはもう異常な状態で、なかなか理解できないのですが、ヨカナーンの首が落とされるとさらにそれは大きくなっていきます。

 

さて注目ポイントの、7つのヴェールの踊りは今回もまたナディア・ミヒャエルは脱ぐことなく終わってしまいました。それこそ彼女は7つのヴェールと戯れるといった風。もともとシュトラウスの音楽が踊るにはちょっと難しいとは思うのですが…。はっきりいってナディア・ミヒャエルの衣装は薄く乳首など透けてしまっていているので、思いきってしまえばいいのにと思うんですが、それを期待するのは男の助平根性というものなんでしょうか?

 

サロメは踊りの報酬にヨカナーンの首を要求するのですがヘロデ王はうろたえます。約束が違うとサロメは机をひっくり返す始末。癇癪持ちというか激情を抑えきれないでいる。女性の殺人動機は愛が報いられないときに起こりやすいとするならば、このサロメはそんな女性の特徴を超過激にそしてデフォルメ、大袈裟に描いた話なのかも知れません。もともと王女なのですからプライドは一番、それを傷つけられた時の愛の復讐は倍になって返ってくる…。今回見たダニエル・ハーディング指揮の楽劇「サロメ」のバージョンは、昨日のフィリップ・ジョルダン指揮のものより、全体的にメリハリのある音楽であったように感じました。演出はデイヴィッド・マクヴィカーの方がよかったかな。

 

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