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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

永遠の妖女#63・・・「サロメ」オスカー・ワイルド・作/福田恒存・訳(岩波文庫)

2008-05-06 | サロメ
きわめつけである。

ずっと新国立劇場でオペラの「サロメ」を観てから、サロメにこだわり、サロメばかりを書いてきた。その中でなんと言っても、きわめつけはオスカー・ワイルドの「サロメ」なのである。彼が戯曲として書くことがなかったら、ここまでサロメは広く語られ、描かれ、演じられることはなかったのではないだろうか。もちろん、聖書に登場する名もなき少女は、想像力を掻き立て芸術家たちの素材として注目はされていったのだろうが・・・。

サロメに世俗的でわかりやすいエロスと猟奇的な好奇心をより鮮明にひとつの物語として位置づけたオスカー・ワイルドの作品。彼がその戯曲の中でエロド(ヘロデ王)に、

“恐ろしい、身の毛もよだつ、そんなもんほしがるなどと。もつとも、本気で言うてゐるとは思はない。男の斬り首など、醜悪きはまるものではないか?そんなものを娘が見たがることはあるまい。そんなもの眺めて一体なにが楽しいのだ?楽しいわけがない。”

と語らせているように、それがまっとうな感性であるはずで、いくら王女の権威を傷つけられたとはいえ、ほとんど一目惚れの男の、それも処女が血も滴る生首にキスをするなど、もはや異常事態としかいえない行為なのだ。その理解不能さがこの劇の特徴であり、そんな女いないよなと思いながらも悪魔的な魅力に惹き込まれてしまう。

「サロメ」はめったに上演されない戯曲ではあるが、これほど読まれている戯曲もめずらしいと福田恒存・訳の岩波文庫の解題にもあるように、オスカー・ワイルドの「サロメ」は不思議な魅力を放つのだ。そして今日もどこかでアンダーグラウンドな妖女の魅力に惹かれる少年少女たちの鞄のポケットに収められるのだろう、なんてね。(“”部分福田恒存・訳「サロメ」(岩波文庫)から引用)



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