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今日も長田ノオトさんの作品を取り上げました。3作目となるとっその存在を知らなかったとは云え、その作風や乱歩への思い入れも少しは分かろうというものです。
題材である乱歩の『パノラマ島奇譚』は、中身が中身だけに映像化はむつかしい(すべてを映し撮ってしまうため)だろうと、しかし現実をかなりデフォルメして描くことができる漫画は比較的扱いやすいのだろうとそんな考えを巡らせたりもします。(特にパノラマ島を散策する部分は)
さて、長田さんは話のストーリーを少し替え、探偵・北見小五郎の代わりに明智小五郎を登場させています。それは、おそらくはよりわかりやすく焦点を絞るためにそのようにしたのでしょうし、原作のテイストは失われることなくコンパクトにまとまっています。
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そして、同じ原作を題材に漫画を書いた高階良子さんの作品『血とばらの悪魔』と読み比べも面白いかもしれません。お二人とも少女マンガのロマンを加えながらも、筆のタッチが全く違うので、そこに作家の持ち味を見ることができると思います。少なくとも今回の長田さんは、一つ一つのコマが大きく、細部も詳細には描かず描かれた線でその世界を膨らませることが必要で、よりビジュアル的な感性を要求されるでしょう。
乱歩の世界を直球勝負する長田さんは、自身のHPでも乱歩の作品に取り組んでいました。見事な“RANPOMNIA”と言えるのではないでしょうか?
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※過去の「パノラマ島綺譚」関連投稿記事です
乱歩NO.16・・・<天国と地獄の美女~パノラマ島奇談/1982年>
乱歩NO.29・・・<江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間/1969年>
江戸川乱歩の研究?17⇒「パノラマ島綺譚」から
江戸川乱歩の研究?18⇒「パノラマ島綺譚」から
江戸川乱歩の研究?19⇒「パノラマ島綺譚」から
乱歩を巡る言葉3・・・「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」日本カルト映画全集1
漫画no乱歩#3⇒「ドクターGの島」by高階良子
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