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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

漫画no乱歩#2⇒「血とばらの悪魔」by高階良子

2006-07-17 | 江戸川乱歩
血とばらの悪魔/高階良子
講談社漫画文庫



前回の投稿と同じ高階良子さんの作品・「血とばらの悪魔」です。本作品は講談社漫画文庫の「黒とかげ」に収められています。原作は江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」。幻想の王国(=パノラマ)を創りあげることに取り憑かれた男の物語です。

「黒蜥蜴」の漫画化で少女マンガ・タッチは成功していると前回書いたのですが、
逆にこの「パノラマ島奇譚」はどうでしょうか?こちらは完全に男の空想、幻想、欲望の話です。乱歩の真骨頂エロ・グロ・ナンセンスの、まぁSF的バージョンとも言うべき壮大な幻想譚なので少女マンガ・タッチが、うまく噛みあっているとはいえない気がします。



やはり、少女マンガはどうしても綺麗に描いてしまいます。原作の後半のパノラマ島のエピソードはそれでもいいのですが、前半の“入れ替わり”のエピソードは、幻想に取り憑かれた男の生々しさが必要と思うのです。その欲望を強調するがゆえに、ありえないパノラマ島の建設が活きてくるからです。

高階さんの漫画では、その前半のエピソードを簡略化しパノラマ島建設に重点を置いています。高階さんも、もしかしてその辺りのことを十分承知して、戦略的にそのような構成としたのでしょうか?終局辺りのパノラマ島を案内するところは、とても良いのですが、パノラマ島を創りたいという執念を描く部分が弱く、「黒とかげ」が傑作であっただけに、ちょっと残念な気がしました。




※過去の関連投稿記事です
乱歩NO.16・・・<天国と地獄の美女~パノラマ島奇談/1982年>
乱歩NO.29・・・<江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間/1969年>
江戸川乱歩の研究?17⇒「パノラマ島綺譚」から
江戸川乱歩の研究?18⇒「パノラマ島綺譚」から
江戸川乱歩の研究?19⇒「パノラマ島綺譚」から
乱歩を巡る言葉3・・・「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」日本カルト映画全集1



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1972年の秋に読んだ乱歩「パノラマ島奇談」原作のマンガは高階良子の「血とばらの悪魔」だった (suwate_b)
「漫棚通信ブログ版」さんが、丸尾末広が江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」を漫画化した