飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

「仙 禅とユーモア」展(出光美術館)を見た

2010-09-23 | 美術&工芸とその周辺
出光美術館で仙の作品を見るのはこれで2度目です(11月3日まで開催中)。以前その作品を見たときホッとするような感覚になりました。そして今回もその印象は同じ。癒されるというか、肩の力が抜けるのです。


「自画像」

その癒しという言葉、それが世間的に使われはじめてから随分とたっているのですが、仙の描く絵こそ、その癒しを与え感じさせてくれるのです。なぜなら、仙は我々の変わりに人生の修業を積んでくれる禅僧という身分(臨済宗妙心寺派)。その仙は、仏教をプロとして学びながら、上から目線で人生について説教を垂れるのではなく、片意地張らずにやさしさとユーモアに溢れ機微に富んだ形で、「無理することはないよ、これでいいんだよ」と納得させてくれるようなのです。あるがままを受け入れてくれそうな姿勢に癒されるのです。


「坐禅蛙」


「指月布袋」

仙の絵は一筆書きの漫画のようでそれはやさしいタッチ、いまでいう<ゆるキャラ>が描かれていて、彼の姿勢がそこに結実しているような気がします。大体、仙が京都や江戸の寺ではなく、博多の聖福寺の和尚さんであったこともいいですね。権威付けされていないというか市井の僧侶であったわけです。当時としては80過ぎまで長生きした仙、その底流にある《笑い》の精神。笑いは癌をも飛ばすという説もあるようなので、それがいかに大切か絵を見ていると教えられるかのようでした。


「○△□」

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