♦️889『自然と人間の歴史・世界篇』アフリカで帝国主義は生き延びているか(2012年)

2017-10-01 08:52:55 | Weblog

889『自然と人間の歴史・世界篇』アフリカで帝国主義は生き延びているか(2012年)

 2012年現在、アフリカ諸国の産業には、それぞれの国における基幹産業となりうるものとしては何があるのだろうか。ここでは、資源開発に関係するところに限って取り上げたい。なお、以下しばらくは、2013年1月18日付け朝日新聞等などの記事を中心に取りまとめている。
 さて、アフリカ地域には、フランスとイギリスが今なお大きな権益を持っている。まずは、フランスについて、大まかに現状を掴みたい。
 最近の新聞記事には、図や表がふんだんに用いられていて、ありがたい。アフリカに展開するフランス軍、フランス企業が権益を持っているウラン鉱山、油田開発、天然ガス資源の分布(2012年末時点)が、図示されている。これによると、マリの隣国ニジェールに原子力大手のアレバ社がウラン鉱山を保有している。ナミビア西部にTrekkopje鉱山を保有している。この鉱山は2007年、原子力大手アレバ社が南アフリカのUramin社から買収したものだ。コートジボワールの油田開発では石油大手トタルが権益を握っている。セネガルの油田開発でも石油大手トタルが権益を保有している。アルジェリアでは、電気大手GDFスエズがアルジエリア産天然ガスの採掘の権益を保有している。さらにマリでの金採掘事業の開発を巡っては、フランス企業約50社が展開中だとのこと。
 こうしたアフリカでの関係国には、経済利益と利権を確保するため、フランス軍が駐屯しています。これら諸国に展開しているフランス軍兵士の数は、セネガル(基地あり)に350人、コートジボワールに450人、チャドに950人、中央アフリカに600人、ガボン(基地あり)に900人、ジプチ(基地あり)に1900人、計5000人以上もの兵士が西アフリカを中心にアフリカ全土に散らばっていて、フランス人とその企業、彼らが持つ権益を守っていることになります。(中略)
 これらをざっと見ると、今でもアフリカは、「帝国主義」そして「新植民地主義」の呪縛(じゅばく)からから、完全に自由となっている訳ではないように見受けられる。

(続く)

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