◻️239の10『岡山の今昔』岡山人(20世紀、石井直三郎)

2019-09-29 19:11:27 | Weblog
239の10『岡山の今昔』岡山人(20世紀、石井直三郎)

 石井直三郎(いしいなおさぶろう、1890~1936)は、歌人。小田郡矢掛村(現在の小田郡矢掛町)の生まれ。
 矢掛中学校から第六高等学校を経て、1914(大正3)年、東京帝国大学国文科を卒業する。
 六高在学中には、六高短歌会に加わって尾上柴舟の指導を受ける。社会にでると、万朝報の美術記者となり、見聞をひろめることができたのではないか。やがて、東京帝室博物館嘱託さらに第八高等学校教授を勤める。
 1914(大正3)年、尾上柴舟主宰の「水甕」創刊に参加する。社を自宅に置くなどして経営にも参画する。雑事にも、尽力するのをいとわない、ひたむきな性格であったようだ。 1925(大正14)年には、雑誌「青樹」を創刊するも、後に「水甕」と合併。
 歌集としては、『青樹』を発行、147首を収める。その中には、歌人のたおやかな心情が写し出される。
「山幾重夕山いくへ鳴かぬ鳥さびしき鳥のおちて入る山」
「ほたほたと青葉の雫おつるおと霧こめし月の夜半にきこゆる」
「こまやかに張れるこずえに陽をうけて芽ぶかむとする樹々のしづけさ」

(続く)

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