♦️40『自然と人間の歴史・世界篇』世界文明の曙(人類、狩猟採集から農耕牧畜へ)

2018-05-19 22:01:01 | Weblog

40『自然と人間の歴史・世界篇』世界文明の曙(人類、狩猟採集から農耕牧畜へ)

 そして今から1万数千年前ともなると、主に世界の五大陸の先進的とされる地域で、定住と多様形態での農耕が始まったと考えられている。この時期区分は、ウルム氷期が終わっての約1万年前から地球が温暖になってきたことと某か事情が重なるであろう。アフリカに例をとると、大陸を構成している地殻に隆起が起こり、それが南北に走り、現在も亀裂が少しずつ広がりつある大地溝帯(グレート・リフト・バレー)ができる。
 その亀裂の西側は、昔通りの森林に覆われた姿であったが、東側では降水量が減り森林は草原地帯へと姿を変えていくのである。そのため、草原地帯での生活を強いられたヒトの祖先は生き残りのために自らを変化させていく必要を迫られたのではないか。
 いま最初の農業が勃興した地域を拾い上げると、次のとおり。約5000年前のアメリカ合衆国東部においてはひまわり、約8000年前のメキシコにおいてはトウモロコシ、約6000年前のアンデス・アマゾン地方においてはトウモロコシ、約1万1000年前の中近東(肥沃な三日月地帯)においては大麦、約9500年前の中国においてはコメ、7000年前のサヘル(サハラ砂漠の南縁部で、現在は半乾燥地帯)においてはモロコシ、約5000年前の西アフリカにおいてはアフリカ・イネや数種の雑穀、約6000年前のエチオピアにおいてはテフ(イネ科)とエンセーテ(バショウ科)、そして約9000年前のニューギニア高地においてはバナナ、等々。
 これらからみると、世界農業のルーツは五大陸のかなり広範な地域に跨って分布していたようだ。 

(続く)

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