192の4の19『岡山の今昔』岡山人(19~20世紀、宇田川準一)
宇田川準一(うだがわ じゅんいち、1848年~1913年)は、幕末・明治・大正時代の物理化学者だ。父は、幕末に活躍した洋学者宇田川興斎であって、準一は長男である。
興斎が1863年(文久3年)に津山への引っ越しを命じられたことから、準一と津山に行って、暮らす。
およそは、学業に励んで暮らす。坪井信良らに学ぶ。1873年(明治6年)には、東京師範学校の教師になる。その後には、群馬師範学校の教頭となる。1890年(明治23年)には、陸軍省の陸地測量部に勤める。その専門知識を買われてのことだと考えられる。
教職のかたわら、訳書の執筆も多く手がける。代表的なのが「物理全志」(1876)だろう。これは、欧米の二人の著作の英語版を準一が基として翻訳、編集したものだという。その体裁としては、巻の1~10までの物理現象を割り振りしている。
巻の1の「総論・物体・物性・力学の基礎事項」から巻9の「液体電池・電気器械・電磁現象」までは、今日の物理学の教義項目てもお馴染みのものだろう。そして巻の10には、「太陽系を主とした天文学」とあって、今日でいうところの天文学の入門を意図しているようだ。
(続く)
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