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市場概況(6.5.09)

2009-06-06 06:53:11 | 市場概況
6月5日(金曜日)の市場概況です。 赤字部は6日朝の更新

◆日経先物:9780円(+90円)、OSC65%(+1%)6月4日の64%から最後の力を振り絞るか?指数値倍率:102(-1)
◆日経平均:9768円(+99円)、OCC67%(+4%)6月4日の63%から最後の力を振り絞るか?
◆日経平均指数値倍率:102(-2)数字が減るほど上昇傾向を示します。
◆TOPIX:916.56(+5.57) OSC59%(+1%)6月4日の58%から最後の力を振り絞るか?
◆マザーズ指数:398.65(+0.42)、OSC66%(+6%)6月4日の60%から最後の坂を登るのか?
◆ヘラクレス指数:614.71(+3.88)OSC76%(+1%)6月2日の75%から最後の坂を登るのか?
◆ドル・円:98.64円。(2円安)OSC61%(+3%)4月7日の62%以来の高さ。更新
◆米ドルLIBOR(3ヶ月もの):0.62938%(前日比-0.0075%)6月4日現在。5月21日から底這い状態になり、再度下落中。
◆米10年債利回り:3.832%(+0.122%)-6月5日現在
◆日経先物イーブニングセッション:9830円(大証終値比+50円)
◆シカゴ日経先物:9880円(円建て、大証終値比+100円)更新
◆NYダウ:8763ドル(+13ドル)OSC67%(+5%)4月9日の69%以来の高さ。更新

引けにかけて先物は朝方につけた高値に並んでの終了です。この期に及んでまだ粘り腰発揮です。どこで鍛えたのか、3月頃のひ弱な身体が、鋼のように変貌しているかのようです。

各市場とも、最後の力を振り絞りそうなので、引けに6417SANKYOと、鈍牛の歩み9437NTTドコモがプラスで終了しそうなので買いました。

NTTドコモを買ったのは初めてです。全く動かないように見えますが、一気に1000枚ぐらいの売り板・買い板が出現しますので、一瞬、居合い抜きにあったようにかっさらわれますね。まさに目も止まらぬ早さでした。

-------6日朝のコメント-------

昨日のNY市場は為替と金利が雇用統計の結果で大きく動きました。株式は、失業率の予想以上の悪化もあり揉み合いに終始。(1時急落したのは、例によって、雇用統計の集計が間違っていたのではないかと、市場関係者に勘ぐられたためです。その後、政府が間違っていないとの声明を出したため値をもどしております。本当にロボットをカウントしなかったのかな??)

注目すべきは、国債金利の動きが為替に波及し全面ドル高となったことです。2年債の利回りは雇用統計発表前は0.97%近辺でしたが1.252%まで上昇しております。これは何と1日で30%もの金利上昇です。ちなみに10年債は2.76%相当の金利上昇(価格は低下)。

これで、さすがにサンフランシスコ連銀総裁のイエレン氏は、FRBの国債を含む資産買い取りが有効かどうかは、理論を裏付けるデータ不足であり、「海図なき航海」をしている。今後大きなショックに備える必要があるなどと話しております。

中国は米国債の価格の下落(金利高騰)に備えるため、これまでの長期債中心から2年ものを含む短期債への切りかえを行っております。銀行が経営不振の企業への融資に対して、長期から短期融資に切り替えるようなものです。

その短期債にこうした激しい金利上昇が襲ったことは中国にとっても相当な痛手でしょう。30%の金利上昇ということは、それまでに中国が買った2年債の価値がその分落ちたということになります。実際の国債価格の減価額については、下記の計算式参照。

★100万ドルの額面の残存期間2年の国債が表面利率0.97%→1.252%に上昇した時のその国債の価値は以下の通りとなります。

100万ドルX(1+0.0097X2年)÷(1+0.01252X2年)
 =100万ドルX1.0194÷1.02504=99.4万ドル

2年債ですので実際の減価の度合いは1日で6%と少なく見えますが、これを国債販売の中心の10年債について見てみましょう。FRBの国債買い取りが発表されたこの3月、10年債は2.5%にまで急落しました。それがたったの3ヶ月で、今日は3.834%にまで上昇しております。

100万ドルX(1+0.025X9.25年)÷(1+0.0384X9.25年)
 =100万ドルX1.23125÷1.3552=90.8万ドル

たったの3ヶ月で減価率は10%近くに達しております。このペースで金利が上がれば年間40%の減価となります。手持ち国債の100万ドルが60万ドルへと減る勘定です。(実際は残存期間がその分減るのでこの通りの計算にはなりませんが。)

それにしても、たった1日での2年もの国債の6%もの下落は、中国を始めとする外国の投資家にとってもやはり大きな衝撃でしょう。

この金利を巡る状況が為替に波及し、一時的とは言えドルが全面高となったのです。本来なら、国債の価格が下落(金利上昇)することは、国の信用がそれだけなくなることですからドル安へと動く筈ですが、喩えてみれば、たった1日で昨日まで100万ドルしていた2年もの国債が99万4千ドルで買えるなら、この際、お買い得なのでドル資金を調達してでも買っておこうかとなった訳です。

株でも1日で6%も下落した銘柄には、つい買い注文がしたくなるものですが、それと同じ心理です。翌日3%戻しても(3%の金利低下)3%の利鞘が稼げます。

3%の利鞘といえば、1億ドル買えば300万ドルです。これはおいしい取引ですね。今なら、1ヶ月間銀行間取引(LIBOR)で資金を調達しても、たったの0.3175%で借りられます。1億ドル借りて金利が31万7500ドルです。1日に直すと1万ドル程度の金利負担です。それで300万ドル稼げる勘定です。

損をこくのは、ずっと満期までホールドするつもりで今より高値(低金利)で国債を買った、日本を筆頭とする国債投資家です。

従って、ドル高になったからといって、アメリカの当局は手放しで喜べません。それだけ国債の信用度が低下したことを意味するため、今後ますます高金利にしないと投資家は買ってくれません。しかし金利が継続的に上昇するなら、投資家は一時的には金利に惹かれて買っても、損する前にすぐに手放すことになり、ますます売れない長期債の金利が上がるという悪循環を、当局はもっとも恐れております。

銀行が信用度が低下した企業には高金利を取るのと同じですね。

ということで、何だか国債価格の解説版のようなコメントになってしまいましたが、これはいよいよ風雲急を要する事態となってきたと思います。

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