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認知症と逆ボッタクリバー

2020-09-25 15:09:35 | 折々の随想
今日は、一組の送迎を終え、隣町の床屋さんに行く途中に携帯が鳴りました。前回、美容院が休日だったため無駄足となった方からの電話でした。「今からスイミングプールに行きたい」とのこと。急遽折り返してお迎えに行きました。1時間半後にそのプールにお迎えに行く約束で一旦帰宅。プールで降りる時、そのお方は支払いをしようとするので、「後で家までお送りした時に累計の距離で計算しますから、その時でいいですよ。」と言ってその場は何も代金を頂かずに帰宅しました。

予定どおりの時間にプールにお迎えに行きました。少し遅れてその方が出てきましたが受付の方に何やら話をしているので耳をそばだてていると、「タクシーが待っているので、あがることにしたのよ」とか言っておりました。意外としっかりしている!(注:私の送迎活動は「タクシー」ではなく「互助送迎」。最初にご本人にも告げてあります。)

「異変」が起きたのは、無事その方の家までお届けした時のことです。往復のガソリン代の計算をしている最中に、その方は代金を支払わずに「どうもありがとうございました。」といってそのまま下車されました。代金の支払いを忘れて降りようとする方はこれまでもいましたが、皆さん、降りた途端に気がついております。その方は、そのままスタスタと自宅の玄関まで歩いていきそのまま家に入っていきました。

その時、「あっ、これはこの方はやはり初期の認知症に違いない」と改めて思いました。思い返せば、これまでも、約束の日時に家にいなかったり、いくら言っても事前予約が出来なくて、「今からお願いします。」としか電話してこなかったり、どうも普通の約束事(送迎のルール)がきちんと守れないようなのですね。

でも、不思議と代金なしの送迎であっても、私の中では何も嫌悪感のようなものは全く湧いてきませんでした。これは何故だろう?

多分、その方は「悪気が全くない」からではないかと思います。いずれにしても、その方はごく最近までクルマに乗っておりましたが、そのクルマをどこかにぶつけたのがショックで、ご自分からクルマの運転を放棄した方です。多分その頃から初期の認知症(あるいはその前段階のMCI)だったのでしょう。しかし、以前に約束どおりに迎えに行ったのに不在だったことを話すと大変恐縮がり「迷惑料」を差し出した方です。それ以外の通常の送迎でもガソリン代に対して500円のコインをお礼を含めてきちんと差し出すような方です。そういう(他人にきちんと気を使う)方に、とりあえずお役に立てたという、私自身の気分の良さの方が勝っておりました。これからも、いきなりの電話であっても、また、料金の支払いがなくても、対応できる限り送迎をして差し上げたいと思います。(夕方5時半頃、その方から電話。支払いを忘れたことを侘びておりました。MCIではないかも知れない!)

このケースとはちょっと異なりますが、今日の午前中に隣町のクリニック(整形外科)までお送りした二人連れ(ご近所のお友達で二人とも足が悪い)の送迎については、回を重ねるにつれ段々と気が重くなってきている自分がいます。お二人とも3年ほど前からのいわば「常連さん」であり、ガソリン代(二人で200円)に加えて、各自100円の「お気持ち代」を頂いております。(当初はガソリン代だけだったのですが、さすがにいくら何でもそれでは悪いと思ったのか、今年に入るころから一人100円のお気持ち代を自ら差し出すようになっております)送迎には往復1時間近くかかり、クリニックでの待ち時間も1時間ぐらいにはなります。仮にタクシーを使うと、1回6000円に待機料がかかる訳ですが、それが私の互助送迎ならお一人200円(うち100円がお気持ち代)です。これまで何と50回以上の送迎を重ねております。私への支払いは二人で400円X50回=2万円ですが、タクシーだと待機料は0円としても相乗りで30万円です。

細かい話ですが、この方々は、最低でも28万円は節約出来た勘定になります。(えっ?、これは「逆ボッタクリバー」じゃない??)

このような長距離での待機を伴う送迎は他の方にも提供しておりますが、皆さん、私の待ち時間と長距離乗車に大変恐縮して、ガソリン代200円ポッキリではなくガソリン代を含めて500円から(ちょっと時間が長いと)千円を出される方ばかりです。それに加えて帰路にスーパーに立ち寄れば何か買ってくれたりと随分と気を使って頂いております。

しかし、翻ってその方々はお気持ち代として各自100円だけ。私が逆の立場なら、やはり、たったの100円の「お礼」で、2時間程度の他人の「拘束」では、とても気が済みそうにありません。普通の感覚を持っている方なら、やはり同様に思うのではないでしょうか?

このようなある種の違和感のようなものが私の心にジワリジワリと作用して、段々とこの方々の送迎に際して気が重くなってきているのではないかと思うのです。

嫌な気持ちを抱きながら、何の恩義もない見知らぬお方を送迎することはしたくないのが本心ですが、最初にお会いした時に、そのような気持ちを持っている方かどうかを見抜くのが、これは意外と難しいものです。3年近く経って、やっとその頃合いが分かりかけたところです。それにしても、役所の高齢者福祉課や地域包括支援センターの紹介でケアマネジャーあたりから時々電話があるのですが、「この方のXXという住所から○○病院まで大体お幾らですか?」と聞かれると、実は内心ムッとします。「タクシーの30分の1の料金で送迎している団体なり個人は一体どこにあるのか!その金額までケチりたいなら、もうそういう方はお断わり」っていう心境です。


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