株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

長期国債価格と株式市場

2007-12-22 22:07:16 | 金融全般
先のブログで最後に書いたとおり、債券価格と株式市場の値動きは密接な関係があります。但し、スタグフレーションに陥った場合は、株も下がり、債券価格も下がります。(金利は上昇)

今はまだスタグフレーションの段階ではありません。そこで日本の長期国債価格と株式市場は逆相関の関係にあると先般検証しました。

そこを、もう少し細かく検証してみます。日経先物のOSCとの比較です。

★先物のOSCvs.国債のOSC

①先物ボトム値 国債ピーク値  先物終値での買い 
 8/17(27%)8.21(56%) 8.20(32%)
                    8.22(36%)

 先物ピーク値 国債ボトム値  先物終値での売り 結果
 8/28(50%)8/29(44%)8/29(48%) ◎(+320円)
                              △(+140円)

②先物ボトム値    国債ピーク値   先物終値での買い 結果
 9/13(43%) 9/12(50%) 9/14(47%)×(翌日損切り) 
                      9/18(47%)
 
 先物ピーク値    国債ボトム値   先物終値での売り  結果
 10/5(66%) 9/28(35%)10/9(64%) ◎(+1420円)


③先物ボトム値    国債ピーク値   先物終値での買い  
 10/25(35%)10/17(54%)10/26(42%)

 先物ピーク値    国債ボトム値   先物終値での売り  結果
 11月1日(55%)11/5(32%)11/2(48%) △(+-ゼロ)

④先物ボトム値    国債ピーク値   先物終値での買い  
 11/13(30%)11/13(53%)11/14(42%)

 先物ピーク値    国債ボトム値   先物終値での売り  結果
 11/14(42%)11/20(33%)11/15(41%)×(-140円)

⑤先物ボトム値    国債ピーク値   先物終値での買い
 11/19(39%)12/4(50%) 11/20(47%)

 先物ピーク値    国債ボトム値   先物終値での売り  結果
 11/20(47%)11/20(33%)11/21(45%)×(-390円)

⑥先物ボトム値    国債ピーク値   先物終値での買い
 11/22(44%)11/21(41%)11/26(51%)

 先物ピーク値    国債ボトム値   先物終値での売り  結果
 12/6(67%) 11/20(33%)12/7(63%)◎(+740円)

⑦先物ボトム値    国債ピーク値   先物終値での買い
 12/20(37%)12/19(53%)12/21(40%)

以上の数字をいきなり眺めても何のことやらかと思いますが、結論的には、国債価格のOSCが50%以上のピーク値を付けた後、日経先物が20-30%台のOSCからの控えめな反転を示したその日の終値で買い、後は日経先物のOSCが上昇基調を辿る限りホールドし、下降を示したその日の終値で売るというのが、基本的には正解のようです。

注意すべきは、前日よりOSCが下降しただけで売らないことです。前々日との比較でまだ上昇基調が保たれていれば、その日にマイナス終了したとしても、我慢の子で保有することが肝要です。普通は軽微なマイナスの筈です。

逆に、国債価格のOSCが30%台の底からプラ転し、日経先物が50%-60%のピーク値から反落した、その日の終わりで空売りをかけるのが正解のようです。

両方のOSCが中途半端に推移している時はあまり参考にはなりません。

たまに、逆行ではなく巡行現象を示す時があります。つまり、日経先物が上げており、かつ国債価格も上げている時です。これは後から日経平均の下げがきつくなる(反動安)の前兆と考えることができます。従って、ほどほどの利益が出た段階での利確が良いかも知れません。

しかし、例外やら騙しも当然にあります。例えば9月12日に国債価格のOSCが50%のピークを付けて、9月14日に日経先物のOSCが前日比+4%の47%に切り返した日に買っても、翌日-310円での損切りとなっておりました。しかし良く見ると、国債価格のOSCはそれ以前の9月7日に54%のピーク値を付けており、日経先物ともども下落過程にあったのです。市場のこの異変に対してはFRBが9月18日に0.5%の利下げで対応しております。そして、その18日の日経先物のOSCは前日比同値の47%でしたので、ここで買いという選択肢が正解でした。

結論的には、日本国債先物価格と日経先物のOSCを比較する時は、両者のピーク値とボトム値を認識しながら、逆相関の関係をうまく利用して、日経先物のOSCが比較的低い値からのささやかなプラ転を確認して買いに入るのが良さそうです。売りはその逆です。

今後、当ブログで市況情報を書く時は、なるべく日本国債と日経先物のOSCとの相関関係も含めて、今の両指標のポジション関係をサマリーするようにしたいと思っております。
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切り返しサインの気づきに遅れる

2007-12-22 11:23:01 | 株に出会う
金曜日は、このところの相場の転換の節目でした。そこで恒例?の反省会を。

★寄り付きまでの状況:

 シカゴCME日経先物:15150(大証15時終値比+140円)
 ヨーロッパ市場:上昇
 ドル・円:113円台キープ
 長期国債先物:0.11円ダウン

★先物の寄り付き後の動き:

 シカゴCME比-60円で寄り付き
 シカゴCMEの15150円に届かず失速
 その後下落し15030円を再三試すが前日安値を割り込まず
 10時前に急騰しシカゴCME価格を抜くも15200の抵抗線は抜けず
 その後押し戻されるもプラス維持し、朝一番の高値を割り込まず
 後場終盤にかけて尻上がりの上昇

以上のような1日でした。

反省その1:

 寄り付きの相場環境は良かった。しかし、前日までの流れは悪く、一旦下を試す筈だった。ここで15010円や15000円割れがあれば、昨日の値動きはがらっと変わっていたことでしょう。なぜ、そうならなかったのか?は、やはり相場環境でしか説明がつきません。ここをもう少し掘り下げます。

1.NYダウ:
 OSC39%を18,20日と2度もマークし20日は+7%の46%と跳ね上がっていた。つまり8月1日の13132ドルを終値では下回ることなく底を脱していた。それを受けて、ヨーロッパ市場が堅調に推移していた。

2.為替:
 ドル・円は終値で113円台をキープ。そして、何よりもドル・ユーロでドルの強さが目立っていた。20日段階でドル・円のOSCは69%、売買指数も69%と切り返し(円安)体勢にあった。

3.長期国債先物:
 19日にOSCで53%の直近のピークを付けていた。20日はそこから下落し52%となっていた。(金利は上昇)

以上のように相場環境としては上げを示唆しておりました。

反省その2:

以上の相場環境の冷静な分析をプロの方々はやっていたことでしょう。それを市場で試すための先物の朝一番からの値動きだったのです。いくら慎重を期すと言っても、先物がプラ転してしまえば、後は何時買いに入るかのタイミング勝負だった筈。

この時、今日は右肩上がりの値動きに終始すると判断し、分足のMACDチャートから、ティックチャートに切り替えるべきでした。

ティックチャートは、楽天のマーケットスピードでの用語ですが、要するにVWAP(その日の価格の加重平均値)です。それに近づいたところで買いを入れると、昨日はズバリズバリと当たっていたことになります。個別銘柄もほぼ同じです。

決して朝一番の下げたところが買い場ではありません。そこで、10時頃にプラス圏に先物が浮上し、雰囲気ががらっと変わったのを確かめて、ティックチャートで15200円抜きに失敗してから下に落ちてくるタイミングで、2-3度VWAP割れを回避するのを見届けてから買いに入るのが正解だったかと思います。

それは前場の終わり頃のタイミングでした。結構、執拗に下値を試されておりましたが、前日の朝から14時頃までの抵抗線だった15100円に届くことなく、15120円で留まっておりました。売り方は、ここで執拗な下支えに諦めざるを得なかったようです。その後後場にかけて15200円のここ数日の抵抗ラインをあっさりと抜いて15250円まで到達。ここでこの日のリバウンドは誰の目にも明らかになりました。後は何時買うかだけでしたが、ここでも先物のティックチャートが役立ちます。13時過ぎ、14時まえに一度落ちてきております。ここで買うのが次善の買いタイミングでした。

以上、昨日というより、大きな相場の節目を見定めるための、重要な反省でした。
筆者はこのチャンスに大きく持ち越しができず、引け際に買ったイーグル工業とAQインタラクティブの2つだけです。それ以外に買った銘柄は途中で薄利で撤退。この大きな潮目が読めていなかったためです。

先行指標としての長期国債先物と日経先物の関連についての検証は、タイトルを改めて検証してみることとします。

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