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[新聞報道] 首都圏「水がめ」 驚愕のセシウム汚染レベル、実に基準値の1420倍

2013-04-05 | Weblog

実に基準値の1420倍

中国から飛来するPM2・5や黄砂に日本中が大騒ぎだが、こっちの方もかなりヤバイことになってきた。首都圏の「水がめ」が福島原発事故でまき散らかされた放射性物質で大量汚染。しかも汚染レベルは日を追うごとに上昇しているのだ。

◆台風直撃でたちまち深刻事態に

環境省は11年9月から、千葉、埼玉、東京の公共用水域の放射性物質のモニタリング調査(51地点)を実施している。先月29日に直近の数値が公表されたが、これが驚愕の汚染レベルなのだ。

例えば、千葉・柏市や我孫子市にまたがる「手賀沼」の流入水域だ。沼から上流約1・6キロの「大津川・上沼橋」の川底からはナント、1キロ当たり1万4200ベクレルの放射性セシウムが検出された。国が定める食品や水の基準は1キロ当たり10ベクレルだから、実に1420倍である。

約10キロ上流の「亀成川・亀成橋」の川底でも5300ベクレル、同約1キロの「大堀川・北柏橋」でも、4200ベクレルが検出された。

手賀沼流入水域ほどではないが、首都圏の「水がめ」の汚染度もヒドイ。

1都5県、約2800万人の給水需要を担う利根川水系や、東京東部と千葉北西部をカバーする江戸川水系の調査地点でも基準値を大幅に上回るセシウムが検出されている。

◆事故前は0.1ベクレル未満

環境省は「水質そのものの放射性物質濃度は1ベクレル未満と、生活の安全は確保されている。川底にたまったセシウムも流れる川の水で遮られているため、外部被(ひ)曝(ばく)等の影響もないと考えている」(水環境課)と説明するが、台風などで川が氾濫し、濁流が川底にたまったセシウムをさらって、「汚染水」があふれる危険性はゼロじゃない。しかも、前回(1月)公表数値からセシウム濃度が上昇している調査地点は20カ所もあるから、余計に心配になってくる。

原発事故直後には、江戸川水系の金町浄水場で、1キロ当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出され、摂取自粛が呼び掛けられた。この先も首都圏の「水がめ」にセシウムがたまり続けたら大変だ。

「原発事故前の09年度に文科省が行った環境放射能調査のデータでは、海底土のセシウム濃度の平均値は1キロ当たり1・2ベクレルでした。(海や河川の違いなど)調査条件が異なるため、一概に比較はできませんが、環境省が今回公表したモニタリング調査の数値が突出して高いことが分かると思います」(NPO法人「食品と暮らしの安全基金」代表の小若順一氏)

事故前には日本の水質のセシウム濃度は1キロ当たり平均0・045ベクレルと0・1ベクレルにも満たなかった。福島原発事故の水質汚染は終わってはいない。むしろ、どんどん深刻化するばかりだ。

 

(日刊ゲンダイ 2013年4月3日)