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改憲派安倍の芦部憲法を知らない発言(エイプリルフールの失笑ごとではすまされない)

2013-04-01 | Weblog

ブログ記事:安倍首相の芦部憲法を知らない発言で再燃する自民党改憲案の問題

http://esquire.air-nifty.com/blog/2013/04/post-b7b2.html

今日はエイプリルフールだがまじめな話題を記事にしたい。

土曜日からツイッター上で、懐かしい名前が飛び交っている。

それは、憲法の芦部先生の名前である。

土曜日に、「安倍首相『有名な憲法学者』の名にポカン 『芦部信喜知らないって…』支持者もドン引き」という記事(*参照)がネットに流れたのだが、これにより、現行憲法の改憲を積極的に目指している安倍首相と野党民主党の小西議員との国会でのやり取りを知ることになった人が多いのではなかろうか。

このニュースを聞いて以来、私がしたツイートの内容を編集して今日は紹介しようと思う。

まず、この記事を見た私の直感は、「芦部先生を知らないで改憲とは片腹痛い。こんなあんぽんたんが首相なんだから日本に将来はない。」というものである。

既に、法曹関係者やその他多くの法律を勉強したことある人はツイッター上でも指摘しているが、芦部先生を知らないという人は、まともに憲法なんか勉強したことないことを意味する。

なぜならば、芦部先生は、現行憲法における現在の通説的見解を体系的に説明した学者であり、憲法の少しでもまじめに勉強をした人間であれば、芦部先生の名前を聞いたことがないということはまずもってあり得ないからである。

憲法を勉強したことがない人に、別の例を挙げて例えるならば、芦部先生を知らない改憲論者なんて、英語辞典のロングマン社を知らない通訳とか、日経新聞を聞いたことのないビジネスマンというくらいのレベル なのである。

さらに安倍首相は、小西議員の憲法13条の意味を問うた質問に、包括的人権規定であることすら応えられなかったというのであるから、お粗末であること極まりない。

この程度の話は、クイズ形式だとかいうが、クイズと言えるほどの高度な専門的知識でもなんでもない。

これに対しては、まず、安倍首相の学生時代は芦部憲法が存在しなかったなどと主張して、安倍首相が知らないことは問題ないとする声もあるが、これは明らかに失当である。

学生当時知らなかったとしても、安倍首相は、三権のうちの一つ、行政府の長であり、立法府の一員であるのだから、現時点において、現行憲法の通説的見解を知らないことを肯定する余地はない

この一事をもってしても、現行憲法の通説的見解である芦部先生の名前くらい知っていても良いはずであるが、安倍首相は、このような立場に留まらず、積極的に改憲を主張する人物なのであるから、この程度の基本中の基本である知識は知っていて当然であることは言うまでもない。

にもかかわらず、安倍首相は、これらを回答できなかったというのであるから、経験則上、安倍首相が憲法を真摯に勉強したことがないであろうと推認されることは極めて自然なのであって、その点につき、批判を受けることはやむを得ない

そもそも、憲法を改正するというのは現行憲法に問題点があると考えるからであろう。

そうであるならば、最低限、憲法の基本中の基本である芦部憲法がまとめる通説的見解、いわば、現行憲法の共通認識と知った上で、どういう問題があるから、どう変えるのかという議論がなされるのが通常である。

しかし、安倍首相の今回の発言は、現行憲法の通説的見解を勉強すらしていないことを示しており、現行憲法の共通認識も知らずに、改憲を主張しているという極めて危険な実態を示すものである。

何度もいうが、憲法をまともにかじれば、芦部先生の名前は当然出てくるのである。

次に、芦部憲法や13条のことを知らなくても、首相は憲法改正という判断ができれば良いから、ブレーンに細かいことは任せれば良いのであって問題ないという主張があったが、これも一見にして失当である。

何度もいうが、憲法13条が包括的人権規定というのは、憲法初学者でも知っていなければおかしい基本的な知識である。

国会議員は、立法府の一員として憲法に適合した法律を作ることがその職責なのであるから、この程度は知っていて当然といっても過言ではない

にもかかわらず、このような基本的な知識を知らない人間が、憲法改正という重大な判断を的確に成し遂げるとは到底思えないのである。

安倍首相はまず改憲の議論する前に、憲法の通説的な本と言っても良い芦部先生の主張を理解し、その上で、芦部先生の主張に反論できるだけの勉強をした上で改憲を主張すべきであろう

現行憲法を理解せずして、改憲すべき問題が正しく理解できるなどとは到底思えるはずがない

今回の安倍発言は、いかに自民党の改憲案が稚拙であり、現行憲法の通説的見解や共通認識を無視したレベルの低いものであるかを再認識させてくれたという点では非常に有益なものであったといえるかもしれない

そもそも、既に、弁護士の落合先生などが指摘しているとおり(参考として、togetter.com/li/421489http://togetter.com/li/420466 )、自民党の改憲案は、憲法が何たるものであるかを全く理解していない。

まず、憲法とは何かと問われれば、一言で答えると、憲法は国家を制約する原理である。

にもかかわらず、自民党改憲案の第12条は、「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」などと国民の権利及び自由を不必要に制約する表現をあえて使っているのである。

なぜ、現行憲法の公共の福祉という現在の人権衝突の調整規定を公益と公の秩序に置き換えなければならないのであろうか。

この規定は一つを見ても、自民党が現行憲法の共通認識を全く無視し、憲法が国家を制約する原理であるという基本中の基本が看過されていることは明らかなのであるが、その党の総裁の今回の発言は、さらにそれを強く印象づけるものであって、いかに自民党案が稚拙であるか明らかにするものと言えよう。

自民党の改憲案の稚拙さは指摘しだすときりがないので、今回はここまでで留めるが、芦部憲法に代表される現行憲法の共通認識を知らないし、無視しているから、このような恥さらしともいうべき稚拙な憲法案を掲げて、憲法改正などといえるのだろうと感じたのは、私だけではないだろう。

中にはツイッター上で、「人間が空気を意識する必要が無いように、憲法も問題が無い限り意識する必要は無いのでは。」などという主張をしてきた人がいたが、これが明らかに失当であることは一見して明白である。

現行憲法第12条が、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」と説くように、我々国民は憲法が保障する権利と自由について、常に意識しなければならない

なぜなら、空気が汚染されて有害になってからでは遅いのである。

前述のように、公益と公の秩序で国民の権利を不当に制限することを容易にし、憲法97条を全部削除する自民党の改憲案は、我が国の貴重な空気を汚す中国のPM2.5と同じぐらい有害なのであって、国民はこの貴重な憲法の貴重な規定を国家権力がむやみに弄ることがないよう十分に警戒しなければならない。(これより、芦部信喜氏の著作本の紹介にて省略)

 

*記事:安倍首相「有名な憲法学者」の名にポカン 「芦部信喜知らないって…」支持者もドン引き

2013/3/30 JCAST

「安倍総理、芦部信喜さんという憲法学者ご存じですか」

「私は存じ上げておりません」

2013年3月29日の参院予算委員会、民主・小西洋之参院議員の質問に、安倍晋三首相はこう答えた。さらに他の学者の名前を挙げて質問する小西議員に、安倍首相は「つまらないことを聞く」とばかりの笑みさえ浮かべていた。

「私は憲法学の権威でもございませんし、学生だったこともございませんので、存じ上げておりません」

憲法学ぶ上では必ず名前の出る学者

「芦部信喜」知らなかった安倍晋三首相

ところが安倍首相が「知らない」と断言した芦部信喜氏(1923~1999)は、近年の日本の憲法学者では最も高名な人物だ。日本の憲法学の第一人者だった宮沢俊義氏の弟子で、63年に東大教授になり、84年まで教えた。のち学習院大に移り、86年から92年まで日本公法学会理事長を務めた。92年に刊行した『憲法』(岩波書店)は、大学の憲法学の教科書として知られ、現在も版を重ねている。93年には文化功労者にも選ばれた。

以前には自民・片山さつき参院議員がツイッター上での憲法論議の際、「私は芦部教授の直弟子ですよ」と自慢してみせたことさえあるほどだ。片山氏は今も自身のブログに「芦部教授は、私が東大法学部を在学中の法学部長で、私が3年で外交官試験の2次にうかったときに、『3年で中退外交官にならずに、4年で国公を受けて、大蔵省に行きなさい!』と薦めてくださった恩義のあるかたです」と記している。

ちなみに安倍首相も法学部卒(政治学科)。憲法改正を唱える首相が、憲法学の「大御所」の名前を知らなかったことに、ネットでは失笑と落胆の声が相次いだ。

「法学部卒で憲法を論じるのに芦部信喜知らないって、ON知らずに日本のプロ野球語るようなもんだぞ」

「つか芦部を知らない程度に憲法に興味がないのにどうして改正だけはしたがるのかよく分からない 興味があったらまずは基本書読んだりして勉強するだろ」

「ちなみに、経済学をやった人がケインズを知らないってドヤ顔でいうレベルのこと」

「憲法知ってることの根拠として芦部を使った片山さつきに、お宅のトップ貴方の師匠である芦部知らないのに憲法改正唱えてるんだけどどう思う?って聞きたい(´・∀・`)」

安倍支持者からも、「残念」との声が上がる。

「安倍ちゃんは好きだし、自民を支持してるけど、芦部・高橋和之・佐藤を知らないっていうのは正直驚いた(中略)これくらいは教養で知って欲しかったな。まあ、今回のことで安倍ちゃんが不適だとは思わないけど、最低限フォローアップはこれからしてもらいたい」

もっとも小西議員の質問は、「芦部」以外の部分でも細かく憲法の条文を質すなど、まるで「クイズ」のような形で安倍首相の憲法理解を問おうとしたとして、産経新聞が批判的に報じたのを始め、不快感を持った人も少なくない。安倍首相自身も、「子供っぽいことやめましょう」「このやりとりに何の意味があるのか」「大学の講義ではない」などと不満を表した。小西議員のブログにも大量の批判コメントが寄せられ、半ば炎上状態だ。

 


[共通番号法案] 子牛の識別耳標との違いを明確に(国民をなめるなぁ、モウー)

2013-04-01 | Weblog

記事:共通番号法案は廃案にして練り直しを サイバーゼネコンの食物にされては…

 

 

共通番号法案(マイナンバー法案)が、22日の衆議院本会議で審議入りした。共通番号制度は、所得や納税、年金などの受給情報を1つの個人番号で管理するものだ。

 この法案は野田佳彦内閣が国会に提出していたが、昨年暮れの衆院解散で廃案になり、自民、公明、民主の3党で修正、改めて提出し直した。

 安倍晋三首相は「国民の利便性向上や行政の効率化のため、早期導入する必要がある」と訴えている。政府は2016年1月からの運用を目指している。

 私は共通番号制度の導入に異論はないが、今回の法案はとんでもないシロモノだと思っている。安倍さんの言う「国民の利便性」などは、ほとんど考えられていない。ただただ行政側が管理しやすくなるという“上から目線”の論理ばかりが先行している。

 国民にしてみれば、共通番号導入により、多くのパブリックサービスを受けられるようになり、役所のムダな業務が減って行政コストが削減されるのでなくては意味がない。

 番号制度で最も進んでいるスウェーデンと韓国は、税務、社会保障、住民登録、選挙、教育、兵役のすべてを共通番号で管理している。

 私も20年近く前から「税金や社会保障だけでなく、運転免許証やパスポート、印鑑登録、さらには医療情報まで、1枚のICカードで管理するコモンデータベース法を構築すべき」と提唱している。

 国民はこのICカードで、すべての行政サービスが受けられることになる。さらに、この共通番号を活用すれば、選挙の電子化も一気に進められる。政府もそのくらい発想を広げて将来的な拡張を多くの国民が参加して構想を練り直すべきだ。

 今回の共通番号法案は「住基ネット(住民基本台帳ネットワーク)をベースに活用する」ということになっているが、将来的な拡張を考えると、最悪の選択である。

 そもそも住基ネットは、各自治体がいわゆるサイバーゼネコン(大手IT会社)の食い物にされてバラバラにシステムをつくった。ほとんど使われていないのはそのためだ。今回もサイバーゼネコンがまた暗躍して、カネだけかかってほとんど役に立たないモノを作るのだろうか。

 共通番号のシステムは、「行政コストを下げて、国民の利便性を上げる」という目的を明確にして、その線に沿って全世界の英知を集めて作るべきだ。そのためにも、廃案となった法律を復活するのではなく、もう少し時間をかけてきめ細かく制定する必要がある。

 というわけで、私は「この法案は絶対に通してはいけない」と、自民党にも資料を送って働きかけている。だが現在、自民党の国会議員らには、この問題を考える余裕がないようだ。

 しかし、生活の利便性とコストに直接影響がある、という点においては憲法議論よりも大切な問題だという認識を彼らも持つべきだ。

 急ぐ必要はない。この議論はもっともっと幅広くやらなくてはいけない。(大前研一のニュース時評)

 

追加記事:

共通番号法案 衆院で審議入り

3月27日 NHK
共通番号法案 衆院で審議入り

年金の受け取りや納税などの手続きを簡略化するため、国民1人1人に番号を割りふる、「共通番号制度」の導入に必要な法案は、衆議院内閣委員会で実質的な審議に入り、甘利社会保障と税の一体改革担当大臣は、早期成立に協力を求めました。

「共通番号法案」、いわゆる「マイナンバー法案」は、年金や失業保険の受け取り、確定申告などの際に、国民1人1人に割りふられた番号を利用することで書類の添付を不要とするなど、手続きを簡略化するためのもので、政府は、平成28年からの制度の運用開始を目指しています。

「共通番号法案」は、27日の衆議院内閣委員会で、甘利社会保障と税の一体改革担当大臣らが趣旨説明を行ったあと、質疑が行われ、実質的な審議に入りました。

この中で甘利大臣は、「共通番号制度は、より公平な社会保障制度や税制の基盤となるものであり、情報化社会のインフラとして、国民の利便性の向上や行政の効率化に資するものだ」と述べ、早期成立に協力を求めました。

また西村内閣府副大臣は、制度の導入に伴って、個人情報が流出するのではないかという懸念について、「情報の利用範囲は法律で限定しているほか、独立性のある第三者機関で監視、監督を行う。不当行為に対する罰則も盛り込んでいる」と述べました。

 


[アジア人差別] 欧米人にかしずき同胞を差別する小心国日本(在特会は慎太郎のパシリか)

2013-04-01 | Weblog

記事:在日コリアン街で旭日旗掲げ街宣 大阪、住民ら抗議し騒然 

(2013/3/31 MAINICHI)

 街宣活動する「在日特権を許さない市民の会」(奥)に抗議する地域住民ら=31日午後、大阪市JR鶴橋駅前

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 在日コリアンが多く住む大阪市のJR鶴橋駅近くで31日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)のメンバーら約40人が街宣活動をした。

 通りを挟んだ向かい側では、地域住民ら200人以上が抗議活動を展開。警察官も200人近くが警備に当たり、物々しい雰囲気に包まれた。

 午後1時すぎ。旭日旗と日の丸を掲げた在特会側が「国に帰れ」「駆除するぞ」などと、罵詈雑言を浴びせかけた。参加者には若い女性やスーツ姿の男性もいた。

 一方、抗議する住民らは「差別主義者は恥を知れ」「言葉のナイフを捨てよう」などと書いたプラカードを手にし、「差別反対」と声を上げた。

 

記事:「殺せ」の嫌韓デモに批判高まる (2013/3/30 TOKYO)

・「殺せ」の嫌韓デモに批判高まる
 
「在日韓国・朝鮮人を殺せ」といった過激なスローガンが白昼の街に躍る。
 
在特会(在日特権を許さない市民の会)などが主催するデモだ。
 
 見かねた人たちが沿道で「(在日コリアンと)仲良くしよう」と書かれたプラカードで対抗し、国会議員からも問題視する声が出始めた。
特定の人種や民族を侮辱、攻撃する表現は「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」と呼ばれる。
 
 海外では法的な規制もあるが、日本にはない。 
 
 十七日午後、東京・新大久保のコリアンタウン。日章旗などを手にした数百人のデモ隊が大通りを練り歩いた。「春のザイトク祭り 不逞(ふてい)鮮人追放キャンペーン デモ行進in新大久保」。主催は在特会だ。
 
 参加者らのプラカードには「朝鮮人ハ 皆殺シ」「韓流追放」といった文言が並び、「殺せ」「たたき出せ」「ゴキブリ」といったシュプレヒコールが繰り返される。

 歩道では、デモ隊に匹敵する数の人たちが抗議の意思を示した。
 
 会社員の木野寿紀さん(30)が二月からツイッターで参加を呼び掛けてきた「プラカ隊」のメンバーは、「仲良くしようぜ」「日本の恥」と書かれたプラカードを無言でデモ隊につきだした。

 「ひどいヘイトスピーチに大変な怒りを感じている。地域の人たちに迷惑がかからないように黙って差別反対の意思表示をした」(木野さん)

 デモ隊の前後左右を取り囲む警察官たちは、デモ隊とそれに抗議する人たちを引き離そうとするものの、両者はたびたび角を突き合わせてののしり合った。別の抗議集団は「レイシスト(差別主義者)は帰れ」などと糾弾の声を上げた。

 騒然とした雰囲気の傍ら、韓国化粧品を並べた店を営む在日韓国人の女性(56)は「どうしてこんなデモがあるのか分からない。お客さんが怖がって寄りつかなくなっている」と顔をしかめた。
 
 在特会は二〇〇七年一月に発足した。日本に居住する在日コリアンたちが「特権を不当に得ている」と主張し、特に在日コリアンに付与された特別永住資格の剥奪と制度の廃止を訴えている。脱原発デモに対抗した「原発の火を消させないデモ行進」も主催した。

 ホームページによると、会員数は一万二千人以上。「嫌韓」デモは数年前から各地で実施され、最近では「殺せ」「毒飲め」といった言葉が飛び出すほどエスカレートしている。それに伴い、抗議の声も強まっている。

 同会の米田隆司広報局長はこう語った。
 
 「『良い朝鮮人も悪い朝鮮人も殺せ』といった言葉を推奨しているわけではないが、ショッキングなメッセージは印象に残る。朝鮮人に心理的にダメージを与えようということではなく、会の活動を伝わりやすくするためだ。ヘイトスピーチと言われているが、何をもってヘイトとするのか分からない」

 一連の抗議に対しては「(抗議する集団は)反原発運動で世間の関心を集められなくなったので、在特会にかみついて存在感を示そうということではないか」と話した。
 
 民主党の有田芳生参院議員らは十四日、在特会などの「嫌韓」デモに抗議する集会を参院議員会館で開いた。約二百五十人が集まった。

 決議文では「在特会などの主張は殺人教唆ともいうべき内容で、表現の自由の一線を越えた悪質な扇動にほかならない」と非難した。
 
有田氏は「在特会のような勢力はほっておけば、消えてなくなるという意見もある。だが、言動は過激化するばかりだ。どこかで歯止めをかけなければ」と危機感を募らせる。

 特定の個人や団体に対する侮辱行為であれば、名誉毀損(きそん)罪や侮辱罪などに抵触する。在特会などのメンバーが〇九年、京都朝鮮第一初級学校(京都市)の授業を街宣活動で妨害した事件では、メンバーらに侮辱罪、威力業務妨害罪などによる有罪判決が確定した。
 
 しかし、「韓国人を殺せ」といった言葉は、刑法に抵触しない。日本には、欧州諸国などにある人種差別禁止法やヘイトクライム(憎悪犯罪)法がないからだ。

 日本も加盟する人権差別撤廃条約は、こうしたヘイトクライムについての法整備を求めているが、政府は動こうとしていない。「処罰立法を検討しなければならないほどの人種差別の扇動は日本には存在しない」という認識からだ。
 
 東京造形大学の前田朗教授(刑事人権論)は「政府は早急に『人種差別禁止法』を制定し、差別は絶対に許さないという姿勢を打ち出すべきだ。その上で、ヘイトスピーチを含むヘイトクライムの法規制を検討してほしい」と強調する。
 
 とはいえ、いま現在は有田氏ら一部の議員らが動き始めたにすぎず、法整備は将来的な課題。表現の自由との「もろ刃の剣」の側面もあるだけに慎重な議論が必要だ。当面は現行法の枠組みの中で対処するしかない。

 有田氏らは二十六日、デモの届け出受理をする東京都公安委員会に対して「ヘイトスピーチを伴うデモを過去に実施した団体からデモ・街宣活動の届け出があった場合、新大久保周辺では許可しないこと」などを要請。地元商店街やネット上で集めた署名も提出した。
 
 風当たりの強さに、在特会の一部には微妙な空気も漂っている。

 メンバーの男性会社員は「『殺せ』という部分だけを切り取ってレイシストのレッテルを貼るのは納得できないが、私自身は『殺せ』は使わない」と話した。元メンバーの男性会社員は「『殺せ』という言い方には疑問を感じる。会の活動とは距離を置いている」と複雑な心境を明かした。

 前出の米田氏は、在特会の現状について「設立当初から退会する人はいる。出たり入ったりだ。それぞれの考えで動けばいい。デモは今後も継続する」と説明する。

 著書「ネットと愛国」で在特会の実態に迫ったジャーナリスト安田浩一氏は「在特会はレイシスト、排外主義者だ。容認することはできない」と断じた上で、「市民の力でデモを止めなければならない」と訴える。

 「一連の抗議活動によって、動揺しているメンバーは少なくない。ヘイトスピーチに関する法的規制には慎重にならざるを得ないが、そういう議論が始まってもおかしくないほどデモは醜悪だ。法的規制に走らないためにも、一人でも多くの人が反対の意思表示をしてほしい」

ビデオ 在特会会長桜井、日韓断交せよ(福岡)
 
関連記事スクラップ
■有田芳生参院議員ら、新大久保「反韓」デモの不許可を都公安委に要請(2013/3/27 JCAST)

「在日特権を許さない市民の会(在特会)」などが東京・新大久保などで繰り返し行っている「反韓国デモ」をめぐり、有田芳生参院議員(民主)らが2013年3月26日、東京都公安委員会に対して、新大久保でのこうしたデモを許可しないことなどを求める要請文を提出した。


要請文は「差別的デモ・街宣に抗議する会」の名義で出された。在特会を名指しした上で、これらのデモが「朝鮮人を殺せ」「ゴキブリ」「叩き出せ」などのヘイトスピーチを行うことで「周囲の影響に重大な悪影響が出ている」と指摘、「殺せ」発言などは騒乱罪や威力業務妨害罪、脅迫罪、侮辱罪などに当たるともしている。また新大久保住民の署名492筆・ネット署名5486筆も合わせて提出された。



■「殺せ」連呼するデモ横行 言論の自由か、規制の対象か(2013/3/16 ASAHI)

排外主義的な主張を掲げる市民団体が「韓国人を殺せ」などと連呼するデモが、最近、各地で繰り返されている。差別的な表現の規制をめぐる議論も起きている。

 韓流の街、東京・新大久保。2月の休日、日の丸や旭日旗を掲げた約100人が、シュプレヒコールとともに通り過ぎた。韓国から竹島の奪還を、と…


■ヘイトスピーチ:「殺せ」… デモ、目立つ過激言動(2013/3/18 MAINICHI)

デモなどで特定の人々を公然と侮辱する「ヘイトスピーチ」が目立つようになっている。海外ではドイツやイギリスなどヘイトスピーチを処罰対象としている国もあるが、日本では「野放しの状態」(専門家)。標的となった人からは「危険を感じる」という声も上がっている。

 「殺せ、殺せ」「ゴキブリ」「日本からたたき出せ」

 2月上旬、外国人が多く暮らす東京都内の繁華街でデモがあり、そんなシュプレヒコールが飛び交った。デモは特定の外国人を排斥する目的でインターネットで告知され、男女100人以上が参加した。

 既存の右翼団体とは異なり、参加者もほとんどが一般人。こうした現場を取材してきたフリージャーナリストの安田浩一さんは「数年前に比べ文言がより過激になっている。『殺せ』という言葉はヘイトスピーチと言えるのではないか」と話す。

 一方、デモを呼びかけた団体の一つは「参加者から自然に出た言葉で、推奨しているわけではない。何がへイトスピーチなのか明確な定義はなく、デモの表現としてあっていいと思う」(広報担当者)と説明している。

 デモを間近に見た外国人男性(25)は小声で「怖かった。危険を感じた」と話した。ツイッターでも「デモやばかった」「ひくわー」などのつぶやきが相次いだ。

 デモを問題視した超党派の国会議員も抗議集会を呼びかけ、今月14日に200人以上が参加。また17日の同様のデモでは、コースの途中に「仲良くしようぜ」などと書かれたプラカードを持った人々が集まり、抗議の意思を示した。運動を呼びかけた男性会社員(30)は「もう見過ごせないと思った」と話した。
 
ヘイトスピーチ(憎悪表現)
 人種や国籍、ジェンダーなど特定の属性を有する集団をおとしめたり、差別や暴力行為をあおったりする言動を指す。
 
ネオナチ運動に対処するため1960年にドイツで制定された民衆扇動罪や、「人種差別の扇動に対しては法律で処罰すべきだ」と宣言した国連の人種差別撤廃条約(69年発効、日本は95年に加入)を背景に、各国が規制に乗り出している。
 
 
海外では処罰対象
 ヘイトスピーチは社会の平穏を乱し、人間の尊厳を侵すとして、諸外国で規制されている。
 
  ドイツはデモや集会、ネットの書き込みで特定の集団を侮辱する行為を「民衆扇動罪」に定め、5年以下の禁錮刑を科している。国内に住む外国人を「駆除されるべき集団」などと表現する行為もこの罪に当たる。

 イギリスの公共秩序法も同様の行為に7年の懲役刑、フランスや民族対立から内戦が起きた旧ユーゴスラビアのモンテネグロも罰金刑を設けている。

  しかし日本では規制がない。名誉毀損(きそん)や侮辱、脅迫罪は特定の個人や団体を対象にしており、国籍や民族などで分けられる不特定の「集団」に対する言動には適用できない。
 
◇東京造形大の前田朗教授(刑事人権論)によると、表現の自由に反する恐れのあることが、規制に踏み出せない理由という。ただ前田教授は「個人への侮辱が罪になるように、集団への侮辱を規制しても表現の自由には反しない。日本だけが時代遅れの『ガラパゴス』になっている」と話す。
 
  高千穂大の五野井郁夫准教授(政治学)は「東京に五輪を招致しようとしている日本でヘイトスピーチがまかり通っては、国際的な信用を失いかねない」と指摘。今回、抗議の意思を示した市民が現れたことに着目し「表現の自由を狭めかねない行政による規制の前に、こうした動きが起きたことを評価したい。差別を許さない市民意識を育むきっかけになれば」と話している。

■余りに醜悪 法的規制を…排外・レイシスト集団に高まる怒り (2013/3/20 民団新聞)

 「言論の自由」を盾に排外主義的なヘイトスピーチ(憎悪演説)を繰り広げる「在日特権を許さない市民の会」(在特会)に対して、法的規制や行政による取り締まりを求める声が高まっている。たとえ、法的に不起訴や敗訴になろうとも、刑事告発や民事訴訟を提起すべきだという意見も聞かれた。デモの陰で震えている幼い子どもや青少年への影響を考えれば、もう放置できないところまできているのは確かだ。各界人士が意見を寄せた。

・刑事告発や民事訴訟を

 薫さん(弁護士、大阪)在特会誕生の背景には日本社会の右傾化があると思いますが、右傾化が進行した原因は①日本政府が意図的に歴史教育(在日コリアンの誕生)を隠ぺいしている状況の下で、②韓国や中国の経済的発展などの躍進に対する危機感、③北韓の拉致事件、核・弾道ミサイル開発、④独島、尖閣諸島問題などの諸問題が発生したためと思われます。

 これに対する我々の対策としては、①の歴史問題に対しては、米国、欧州などの諸外国、国連などの国際機関に対し、問題を英語で提起する活動を積極的に開始すること、内部的には在日コリアンのための歴史教育を充実化すること、②ないし④のためには、在日コリアンしかできない民間の外交・親善活動をさらに活発化させることが必要だと思います。

 在特会の活動に対しては、たとえ法的には不起訴ないし敗訴になろうとも、刑事告発や民事訴訟を提起すべきと思います。そのような活動により、マスコミを動かし、日本のリベラル、健全な保守主義者に問題を提起すると同時に、事件の内容、裁判の結果を韓国のみならず、英語でもって広く国際社会に知らしめるべきであると思います。

・人種差別撤廃条約を生かせ

 殷勇基さん(弁護士、東京)人種差別、民族差別の記事や演説、デモに対してはイギリス、ドイツ、カナダなどは人種差別デモなど自体を法的に規制している。他方、米国は規制に消極的だ。日本は人種差別撤廃条約には加入しつつ、言論規制については米国型でやってきた。

 しかし、「よい韓国人も悪い韓国人もみなごろし」というような表現があったことで、一線を越えていると思う。また、特定商業地域での街宣活動を何度も繰り返して営業妨害の結果を引き起こしている点も問題だ。

 前者については、人種差別への規制という前に脅迫の成立を検討できる。後者は街宣活動中に、商店や買物客へのしつような罵倒などがあるというから、業務妨害の成立を検討できる。ただ、刑事事件としては、被害者側が捜査当局に対して積極的な協議を求めることが必要だろう。

 根本的には国会議員たちも言っているように、ヘイトスピーチ自体の法的規制の検討を日本でも本格的に始めないといけないのではないか。また、日本政府は人種差別撤廃条約の趣旨をもっと積極的に生かしていくべきだ。

・自分で自分のクビを締める

 朴一さん(大阪市立大学大学院教授)韓国人へのヘイトスピーチは、長い目で見れば、外国人に対する日本への投資環境を悪化させ、経済にも悪影響を及ぼす。安倍首相が景気を良くしようとしているが、現実に株価を押し上げているのは外国人投資家だ。不満のはけ口を外国人に求めるのは自分で自分の首を締めるようなもの。

 日本も経済改革を本気で進めたいなら、ヘイトスピーチを処罰するなど人種差別を規制する立法を検討する時期にきている。

・民団としても行動起こす時

 明さん(民団東京・新宿支部事務部長)在特会のデモに関して多方面の方々から「民団として何もしないのか」「デモに対してどのように考えるか」などの質問がよくあります。大久保のコリアタウンは大阪の鶴橋地域と違い、支部の団員はほとんどいない場所で、いわゆる韓人会の地域という意識が多く、あいまいに返答をしていました。

 だが、ユーチューブで見る彼らの暴言・行動を見ていると韓民族として非常に腹だたしく、彼らの暴挙に対して、同じレベルでは戦わないで、例えば署名運動を起こしデモコースを変更させるなど行動に規制をかける戦いを、在日韓国人の代表団体として起こさなければいけない時期に来ていると思っています。

・子どもたちの心のケア必要

 小西和治さん(全国在日外国人教育研究所事務局長)在日コリアンに「死ね」「虐殺する」など、存在を否定する言葉を連呼しながら新大久保や鶴橋を練り歩くレイシストたちの映像を見て激しい怒りを感じた。心配するのは、これらの侮蔑的な言葉を聞き、あるいはインターネットで知った子どもたちのことである。幼い子どもや多感な青少年に与える影響を考えると、法的規制や行政による取り締まりが必要であろう。差別・排外意識のばらまき行為は放置できない。

 在日コリアンの子どもは尊厳を傷つけられ、大きな衝撃を受けたに違いない。この子どもたちの保護者や教員の皆さまにお願いしたいことは、これに委縮して殻に閉じこもる事にならないためのケアである。差別者の言動が犯罪的行為であり、絶対に許せないものであることの共通認識を持つことも大切である。さらに、このような反社会的行動は、在日コリアンばかりでなく大多数の日本人も許していない事実も重要である。

 嫌韓デモに対するカウンター行動や抗議の国会集会の話もしておきたい。2月9日の新大久保。数十人のデモ前日、「冬のソナタ放送10周年」の記念イベントに1万人近くが集まったことも無視できない。なによりも、日本の歴史についての客観的な認識を育てていく努力がますます求められている。


■極右「在特会」の「被害届」に便乗して市民団体を強制捜索――大阪の公安が相次ぎ運動弾圧(2013/3/15 KINYOUBI)

反原発運動への弾圧事件が続く大阪で、今度は極右団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)メンバーの「被害届」を理由に、大阪府警公安第三課が二月中旬、従軍「慰安婦」問題に取り組む市民団体への家宅捜索を強行。「傷害」被疑者として市民四人に出頭を求めたことが明らかになった。

 強制捜査を受けたのは、「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」。共同代表の西村寿美子さんによると、「『慰安婦』を強制した証拠があるなら出してほしい」という橋下徹大阪市長の暴言に反証するため、昨年九月二三日、元「慰安婦」の被害女性を韓国から招いて証言を聞く集会を大阪市内で開いた。その際、妨害活動をしていた「在特会」の一人が会場のある建物に侵入したが、参加者が制止し、集会は混乱なく終了した。

 ところが、集会から半年近くも経った今年二月一三日、押し出されて負傷したとする「在特会」メンバーの「被害届」をもとに、府警は制止した四人を一方的に「傷害被疑者」とし、個人宅や関係事務所など五カ所を家宅捜索する一方、集会主催者である同ネットワークの連絡事務所も強制捜査し、西村さんら共同代表三人に事情聴取を求めた。

「在特会」は、在日朝鮮人への侮蔑・憎悪発言を各地で繰り返す“札付き” の極右排外主義集団。関西ネットワークが毎月一回、JR大阪駅周辺で取り組む「慰安婦」問題の宣伝活動に対しても数十人から一〇〇人を動員し、過激な妨害活動を四年以上続けている。

「被疑者」とされ任意出頭を要求された四人のうち、六〇代のAさんは筆者の取材に対し「在特会は集会参加者を撮影し、罵詈雑言を貼り付けてネットに流すので、当日は撮影を止めるよう求めた。会場に入ろうとした一人を制止したが、乱暴はしていない」と明言する。さらに「容疑は傷害なのに刑事部ではなく公安三課(過激派担当)が動き、容疑に無関係な集会主催者にまでガサ入れするのは、被害者と加害者を逆転させ、国策に反する市民運動を恫喝するもの」と怒りを隠さない。

 関西ネットワークは二月二二日、大阪市役所で記者会見し、「在特会」の妨害活動に便乗した大阪府警の弾圧と、これを容認し令状を発行した大阪地裁の不当性を批判し、四人の逮捕・起訴は絶対に認めないよう訴えた。会見にはアムネスティ日本支部の担当者も同席し、「今回の捜査は、政府当局による人種差別の支持や助長に該当する可能性すらある」などと警告する日本支部声明を発表した。

 ネットワーク会員らは会見後、大阪地裁に抗議文を提出したが、大阪府警曽根崎署では警備課などの数十人が入館を阻み、抗議文の受け取りを拒否した。

 大阪では昨年一〇月以降、脱原発運動に参加した市民が威力業務妨害などで相次ぎ逮捕される異常事態が続いている。

 主な事例は(1)関西電力本店前抗議行動(一〇月五日)で一人(2)大阪市の汚染がれき処理説明会(一一月一三日)で四人(3)10・5関電前抗議行動関連で一人(逮捕は一一月一六日)(4)JR大阪駅周辺の街頭活動(一〇月一七日)で三人(逮捕は一二月九~一一日)と、三カ月間で延べ九人が逮捕され、六人が起訴された。いずれも公安三課が指揮する計画的弾圧だ。

 逮捕されたのは運動の中心的人物で、大阪拘置所に勾留中の韓基大さん(四六歳)の場合は、(2)と(4)で逮捕・起訴されたのに加え、今回の「在特会」事件でも「傷害被疑者」の一人とされた。支援者らは「脱原発運動に続き、従軍『慰安婦』問題の運動にも威嚇の網を広げることで、市民が怖がって近寄らなくなるのをねらっているのではないか」と警戒する。

 安倍首相や橋下市長らが戦時性暴力の事実を「自虐史観」と一蹴する風潮の中、「在特会」の民族差別攻撃は「朝鮮人 首吊レ 毒飲メ 飛ビ降リロ」など常軌を逸した内容に過激化している。こんな活動を放置しつつ、市民団体を狙いうちするような恣意的捜査がまかり通るなら、大阪は世界に嘲笑されよう。(村上恭介・ジャーナリスト、3月1日号)