晴れ、5度、42%
香港でのマンション生活、狭い部屋の壁には私が刺した刺繍の額が所狭しと並んでいました。季節や行事で掛け替えるものも含めるとかなりの数です。引越しの時も私ではなく業者の人に梱包を頼みました。業者の人に梱包されると、大きさも着ぶくれたように太ります。私でもびっくりするほどの量になりました。引越しの荷物を解く時、その着ぶくれた梱包材はっさっさと剥がして、壁に立てておきました。荷物が収まると、いよいよ額を飾ります。ところがこの家の壁は全て漆喰です。壁に釘を打つわけにはいきません。しかもどの部屋も高い天井です。小さな私は、脚立に助けられ釘やフックを取り付けます。
ワイングラスを収めた小さな棚を囲んで、 デンマークの地図とノアの箱舟です。 ノアの箱舟の方が大きく見えますが、実際は地図の方がふた回り大きいものです。 居間の台所側の壁には、母から譲り受けたマリーローランサンのエッチングです。
寝室に入ってすぐには一番大きく、額は捨てて中身だけ持ち帰ろうかとまで考えた世界地図をかけました。 私のベットの枕元には、 クリスマスローズやスノードロップの額を。 主人のベットの枕元には、 我が家の額の中でも一番古い多色の版画「ふし木」をかけました。寝室のベットの足元の壁は一番広くここに世界地図をとも思ったのですが、主人がピクチャーレールを注文していました。ピクチャーレールは美術館などが使う可動式のフックがカーテンレールのようなものについています。 ここにはデンマークの建物を8つ並べるつもりでしたが、まだ4つしかフックがありません。今残りのフックを頼んでいます。
座敷は今ではフローリングですが、床の間はそのままです。昨日主人が香港に戻りましたので、やっと時間ができてお雛様のしつらえを外しました。
家自体は香港の時よりはるかに広いのに額を飾るスペースの少なさに驚きます。座敷は、やはり床の間のこのスペースだけにと思うからかもしれません。床の間には古くから掛け軸をかける茶道具用の鍵フックがついていました。実はまだ箱に数枚の額が残っています。
家が漆喰の壁になると決まった数年前から、私は額をどう飾ろうかと思案しました。ピクチャーレール以外は天井と壁の際の梁にフックを打って、ナイロン線を使って吊るします。高い天井まで脚立でも高さが足りずにテーブルに脚立を乗せて飾ります。古い我が家の梁は木質がしまって硬いものです。一つかけるのは容易いのですが、2つ3つとなると高さを揃えるのに難儀します。ひとまず今の飾りで満足。人手、男手を借りれば楽でしょうが自分の手で家を飾ることは家への挨拶のつもりです。すっかり自分の家ですと言えるようになるまでまだまだ時間がかかります。