チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

らんぷ

2017年03月27日 04時57分33秒 | 身の回りのもの

雨、8度、80%

 薄い薄いガラスで出来たらんぷがあります。納戸の奥からひょっこり顔を出しました。このランプが家にあることすら覚えていませんでした。このらんぷ、主人が結婚前にくれたものです。来年で結婚40年、こんな薄いらんぷがよく欠けもせずにいたことが不思議です。

 このらんぷ、東京から私の実家、つまり今のこの家にやって来て香港には持って行きませんでした。何分にも薄い薄いガラスです。置いたまま滅多に帰らないこの家のどこかに置かれていたものです。6年ほど前からこの家の整理を始めました。山のような物と掃除もされていない古い日本家屋を蜘蛛の巣、埃と戦いながら残したものはみずめ桜の家具と大きな焼き物、一握りの食器だけでした。そして、改築が始まるとこれらのものは全部倉庫に預けました。改築期間2年弱、倉庫の荷物はこの家に運び込まれました。その時、荷を解いたのも私です。なのにこのらんぷのことはすっかり頭から消えていました。

 納戸の奥にひっそりといたらんぷは、荷を解かれた時のまま埃を厚く被っています。ホヤを水洗いして磨きます。アルコールを入れる部分にも埃です。2日ほど、丁寧に丁寧に磨きあげました。 色のついたガラスで出来た華やかな洋燈もありますが、これは本当に素直な透明のガラスで出来ています。ホヤの先にレースがアルコールを入れるところにも浮きの模様が付いているだけです。壊れもせず40年、この磨かれる日を待っていたようです。

 アルコールを買ってきて、芯にアルコールが上がるのを待ちます。昨晩の福岡は雷とひどい雨降りでした。部屋の電灯を消して、らんぷに火を入れました。外では遠くに近くに雷の音です。時間が急に逆戻りしたような不思議な時間です。

 ランプもそう、みずめ桜の家具もそう、庭の石達もそう、毎日手をかけて磨きます。少しずつ息を吹き返しているように思います。まだまだ時間のかかる仕事です。

コメント
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