晴、9度、42%
昨日の朝も寒い福岡でした。おまけに曇ったまま。一度は起きてきたモモさんですが、ひつじの湯たんぽを抱えてまた寝ます。「お散歩。」と声をかけても目も開けません。9時になれば工事の人がやってくる、10時になれば訪ねてくる人の予定もあります。もし、トイレとなれば庭に出そうと思います。
来客も帰りました。モモさん、起きません。やっとお昼ごはんの用意を始めると、匂いに釣られて台所に顔を出します。まだ、家の中ではトイレをしたことがありません。「チーは?」と聞いたものの、塗装のお兄さんが裏木戸を出たり入ったり。庭に出すわけにもいきません。早めにお昼を済ませて、工事の人たちのお昼時間に散歩に出ようと思います。ちょうどお日様が照り始めています。
福岡は玄界灘から吹く北風が冷たく感じます。それでも日向を歩けば、気分が弾みます。お天気の良さに誘われて、初めての道に足を伸ばしました。モモさんも初めて、もしかしたら私も初めてかもしれません。恥ずかしいことに、私は自分の育った家の近くをよく知りません。福岡に着いてすぐのモモさんとの朝の散歩では、道を間違えて家とは反対方向に歩いていたほどです。
3月に入って、大きく膨らみ始めた木蓮の蕾や、ふとにおってくる沈丁花の香りにつられてモモさんと私は歩きます。週日の昼間です。住宅街の道は人通りもなく、のんびりとしています。顎を上げなくても空が見えることが、こんなに晴れ晴れとした気持ちになるとは思ってもみませんでした。角を曲がると、公園があります。子供の遊具がある公園です。今までの感覚で公園には犬は入れないと思います。で、入り口の注意書きを読むと犬はダメとは書かれていません。そんなわけで、モモさん初めて公園に足を踏み入れました。
香港に初めてのドックランができたのはモモさんが2歳の時です。喜んで出来て間もないドックランに連れていきましたが、帰ってきたモモさんノミだらけでした。以来ドックランにも連れていきません。家の近くには大きな動植物公園もありましたが、犬は公園には入れません。おまけに公園なんて言ったって、全部舗装されている香港です。
モモさんに公園の砂地の感触を覚えて欲しいと思います。誰もいない公園です。私とモモさんだけ。「滑り台だよ。」と話しても何が何だかわからないモモさんです。公園にはお日さんがいっぱいです。風が冷たいのですがベンチに腰をかけました。モモさんも、寛いで横になります。 「モモさん、気持ちいいねえ。今度はおやつを持って来ようね。お昼をここで食べてもいいね。」
工事のお兄さんたちが戻る前には家に帰ります。長いお散歩でした。家に帰って服を脱がせる時、モモさんの背中の毛からお日様の匂いがします。とっても幸せな一日でした。