チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

古い建具とドアストッパー

2017年03月29日 05時28分38秒 | 身の回りのもの

曇、10度、61%

 我が家の建具は外回りはサッシに換えましたが、家の中のものは昔の家のものを使っています。中には今ではもう作る人がいないようなものがあります。我が家の出入りの建具屋さんは三代目です。その建具やさんが言います。「うちのおじいちゃんが見たら喜びそうな造りです。」私は建具のことなどわかりませんから、建具屋さんの言うことを鵜呑みにしています。素材や造りが違うのだそうです。

  これは引き違い戸です。すりガラスが入っているところの細工が滅多に見られないものだそうで、材は杉です。昔はこれはトイレと風呂場の戸でした。トイレというか小さな床の間がついた雪隠とでも言いたげな古いトイレでした。私の記憶では3枚ありましたが、1枚は改築中に行方が分からなくなった建具の一つです。今ではこの引き違い戸は、来客用のトイレと寝室に入るところに取り付けられています。

 やはり杉でできた戸です。 同じものが2カ所にあります。一つは座敷横の雨戸の戸袋に、今では戸袋を壊して納戸に作り変えてもらいました。もう一つは2階に上がる階段の脇にあります。階段脇のこの戸は開け放っていることが多いのですが、ちょっとした風でバタンと閉まったり、開いたりを繰り返します。この扉のためにドアストッパーをと考えました。香港の家では味気もないゴム製のものをドアの下に差し入れていました。同じものを持ち帰りましたが、この家の雰囲気ではありません。ちょうど家を扱っている最中でしたから、大工さんに頼んで切り残しの材木をストッパーがわりに使っていました。やはり木の家には木のものが合います。でも切りっぱなしの材木は素っ気がありません。そんなところへ頂戴したのが、酉の形をした可愛いストッパーです。今年は酉年、私の干支です。贈り主は、想像して我が家に合うと思ってくださったようです。しかもお伊勢さんのお土産です。初めはただの酉のぬいぐるみかと思いきやストッパーだとわかると、急いでこの杉の扉のところに持って行きました。色合いは鮮やかですが和の織りの生地で出来ています。かなりの重さです。昼間は閉まらないように、夜ともなると防犯の意味も含めてすぐに開かないようにと大活躍中です。

 こうして自分が育った家に住み始めると、昔の家の有様を思い出します。重たかったガラスの障子や夏になると入れ替えられる夏障子。滑りの悪い木製の雨戸。保温も防犯も含めてサッシのおかげで便利になりました。木の家も全て木のままではいかない時代です。母たちはこの扉に何を当てがってストッパーにしていたものやら、我が家のアクセントになった酉のストッパーです。

コメント
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