楽譜にとらわれない感性

少し前に、面白いことがあったのです。


小学生の生徒が弾く演奏を聞いていたら、

そんなに伸ばす音じゃないところで、音が伸びている。

リズムを読み間違えているような感じじゃなく、
フェルマータ（その音だけ伸ばす、その休符だけ長く休む意味）のよう。

前週は、楽譜に書かれたリズム通りに弾いていた。

ん？なんでだ？


そこで、彼女に聞いてみた。

「ここ、音が止まっている感じだったけど、
　どうして？」と。

そしたら
「ここは不思議な感じを出したかったから、
　音を止めて、長くのばしてみた」と。

この感性に感激


ちゃんと、彼女なりのイメージと意味があってだったのです！


「そこはリズムが違うよ！」と指摘していたら、
この彼女の感性を否定することになっていました。

危ない、危ない


生徒がピアノを演奏しているとき、
その音楽のイメージを持って弾いているかどうかは、
聞いている私に伝わってきます。

なので、私にその場面のイメージができなかったときは、
生徒のイメージを確認するようにしています。


今回の生徒の場合は、
はっきり私にイメージが伝わっていなかったけど、
おそらく、なんだか意味がありそうだったので、

私は「リズムが違うよ」と指摘せずに、
「どうして？」とその意味を聞きだそうとしたのかもしれません。


もちろん、その表現には、
大きな花丸をして、仕上げにしました


楽譜にとらわれない感性、
そして、それを躊躇することなく表現した感性。

それに出会えたことが、とってもうれしく、
こういうことを大切にしていきたいと思いました


　　　　　　　　　　　　　　　　

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