豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

エリザベス女王と私

2022年09月12日 | あれこれ
 
 9月8日に、イギリスのエリザベス女王が亡くなった。
 96歳のご高齢とはいえ、その2日前にトラス新首相の任命式に臨んでいる姿をテレビのニュースで見ていたから、驚いた。

 エリザベス女王(エリザベス2世)と私とは、言うまでもなく、まったく無縁である。
 わずかな「縁」といえば、2014年にイギリスを旅行した際に、女王が毎夏避暑に訪れ、昨晩女王の棺が到着して安置されているエディンバラのホリルード宮殿を見物したこと、ロンドンのバッキンガム宮殿を見物したこと、そして、女王の肖像が描かれたイギリスのコインや紙幣を少し持っていること、それだけである。

 ホリルード宮殿は、エディンバラ城から東に向かうロイヤル・マイルという(まさに全長1マイル=約1600mだそうだ)通りのほぼ突き当り、スコットランド議事堂や最高裁判所の向かいに位置する(下の写真はその正門と宮殿)。観光客も余りいなくて、その日は空も曇っていて、寂しい場所だった印象がある。
   
   

 女王の棺は、ロイヤル・マイルの真ん中よりややエディンバラ城に近いところにあるセント・ジャイルズ大聖堂で一般に公開されるという。日本とは遺体観が違うようだ。その昔、波平恵美子さんの日本人の死体観に関する著書を読んだような記憶があるが、内容は忘れてしまった。
 下の写真は、セント・ジャイルズ大聖堂の尖塔。
   

 バッキンガム宮殿は、衛兵交代式を見に行こうとしたのだが、当日(日曜日だった)サッカーの試合があり、暴動(?)を避けるため、地下鉄が最寄駅のはるか手前で運休になってしまい、2階バスに乗り換えて現地に向かったが間に合わず、衛兵交代式を見ることはできなかった。運転中止の車内放送も聞き取れず、乗客がどんどん降りていくので何が起こったのだろうと思っていたら、当時イギリスに留学中で、その時も一緒にいた息子が事情を説明してくれたので、辛うじてバスに乗り換えることができた。そう言えば、われわれの旅行費用だけでなく、息子の留学費用でも、イギリス経済に若干の貢献はしたのだった。
 バスの停留所からバッキンガム宮殿に向かう小道沿いに、わがミスター・ビーン(豆豆先生)の等身大のパネルが店頭に飾ってあるMr. ビーン関連グッズを売る店があった。愛車のミニは置いてなかった。 
 下の写真は、バッキンガム宮殿。 
   

 そして、イギリスの紙幣とコイン。現在はエリザベス女王の肖像だが、順次チャールズ新国王の肖像に差し換えられるという。チャールズの肖像への変更は、イギリス経済にどのような影響を及ぼすのだろうか。キャッシュレス化が加速するのではないだろうか。
 冒頭の写真は、エリザベス女王の肖像が描かれた5ポンド紙幣。下の写真はエリザベス女王の肖像が彫られた2ペンスのコイン。
   
   

 イギリスのコインは大きさと額面が比例していない。大きさの順でいうと、金色に輝く一番大きくて見栄えのするコイン(銅貨?)が2ペンス、これより少し小さい銀色のコイン(銀貨?)が10ペンス、次に小さい7角形の銀貨が20ペンス、その7角形の内接円程度の金色のコインが1ペニー、いちばん小さい銀貨が5ペンスである(上の写真)。上の段から20ペンス、10ペンス、・・・1ペニーと、順に額面が下がってくる。
 額面が大きさの順になっていないばかりか、数字(額面?)が書いてあるのは1ペニーと10ペンス、20ペンスだけで、2ペンスと5ペンスのコインには数字が書いてない。イギリスの造幣局の意図が分からない。とにかくコインで支払うたびに間違えていないか緊張した。
 下の写真は、女王の父君ジョージ6世(“英国王のスピーチ” の国王)の肖像が彫られた “Half Crown” 銀貨。ジーニアス英和によると、1クラウン=5シリング=25ペンスだそうだから、半クラウンは12・5ペンス銀貨ということか。1948年鋳造と刻印されている。祖父からもらったものだが、その頃イギリスに行ったはずのない祖父はどうやってゲットしたのか? 1948年生れのこのHalf Crown 銀貨の “コインの冒険” (S・シェルダン)は、ぼくの机の引出しの中にしまわれたままで終わりそうである。
   

 われわれが旅行した2014年の春は、スコットランド独立の可否を問う国民投票に向けての運動が行われていた。この時は、結果的にスコットランド独立派が敗れたが、その後の国民投票で、こんどはイギリスがEUから離脱することになった。スコットランドではEU残留派のほうが多数だったため、スコットランドでは再びイギリスからの独立、EUへの復帰を目ざす運動が起きているという。
 スコットランド人の気持ちや経済的利害は分からないが、エリザベス女王がスコットランド滞在中に亡くなったことは、イギリス残留派に勢いを与えることになるのではないか。

 なぜか憎めない、お洒落なおばあさんだった。
 エリザベス女王の国葬が執り行われる9月19日は、偶然私の母の命日にあたる。

 2022年9月12日 記

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