・・・ と言いつつ、こんな書き込みをするのは憚られるのだが、やっぱり気になるので。
きょうの朝日新聞の経済面に、ホンダが“新型ハイブリッド インサイト 初公開”という記事が写真つきで掲載されていた。
ホンダが新しいハイブリッド専用車をパリのモーター・ショーに出品するというのだ。
ホンダが200万円以下のハイブリッド車を2009年に発売することは、いつだったか社長自身が発表しており、それがアメリカで販売している電気自動車クラリティに似ているとか、プリウスにそっくりだとかいうことは、あちこちのクルマ雑誌に予想写真入で載っていたから、正式発表自体は驚くことではない。
問題は、その具体的な数字とカタチである。
朝日の記事には出ていなかったが、さっそくネットで調べると、この新型ハイブリッドは、“インサイト”を名乗り、サイズは、1.69m×4.37m で、ちょうどフィットとシビックの中間らしい。
5ナンバーというのは、いいじゃないか! ぼくのことを考えてるな、という気にさせる。ヨーロッパ車がどんどん車幅を拡大する中で、5ナンバー維持はかえって日本車の特徴となるのではないか。
ホンダのクルマは回転半径が大きいことを割り引いたとしても、1.69mはいい。
エクステリアははっきり言って“いけてない”感じ。旧インサイトの先進性も、クラリティの近未来性もなく、なんだかプリウスそっくりの印象。
“インサイト”を名乗るんだったら、4人乗りのクーペ(場合によっては2ドア)でもよかったのに・・・。意外なほどにずんぐり型になってしまったが、せめて後席のヘッドクリアランスとともに、左後方の視界もプリウスよりよくなっていることを期待したい。
肝心の燃費についての情報は、新聞にもネットにも出ていなかった。しかし、“インサイト”を名乗るということは、旧インサイトの36km/Lよりは行けるということだろう。
一時期、旧インサイトは、プリウスを凌いで燃費日本一を標榜していたことがあった。おそらく今度の“インサイト”も、プリウス以上の数値を出してくるのだろう。
もっとも、あの数字はなんともウソ臭くて、誰もあまり信用していない。そろそろ実態に近い基準に変更すべきだろう。消費者保護の時代に、なんであんなインチキな数字がまかり通っているのだろう。
エコの名のもとに、ハイブリッド車への買い替え需要を喚起して、その裏側で再資源化などのために無駄なエネルギーを消費することの方が、よほど反・エコだという養老孟司さんの発言は、そのとおりだと思うのだが、正直なところきょうの記事に心動いてしまったことも事実である。
ぼくは、軽井沢などへのドライブも含めてせいぜい月平均で300km、年間で4000kmくらいしか乗らないので、燃費自体はあまり気にしていないのだが、週1回のクルマ通勤の際の渋滞時のアイドリングに強い罪悪感を感じている。
なんせ25km程度の距離を1時間半から2時間近くかけての通勤である。ほとんどがアイドリングといっても過言ではない。道路脇の電信柱に「周辺住民に優しさを! アイドリング・ストップをお願いします」という張り紙があったりすると、本当に申し訳ない気持ちになる。
一時は小まめにアイドリング・ストップをしてみたが、エアコンが止まり車内は曇る、方向指示器もブレーキ灯も止まる、雨の日などワイパーまで止まってしまう・・・では、かえって事故になりかねないと思ってやめた。
燃費よりもアイドリング・ストップ装着車ということで、プリウスやヴィッツ1000を考えたこともある。
とうぶんはランクスで行くけれど、当然アイドリング・ストップだろうから(違うかも?)、やっぱりインサイトも考えてしまう。
総体的に見れば、こんな欲求も、養老さんに言わせれば「反・エコ」なんだろうけれど・・・。
* 写真は、ホンダのハイブリッド専用車“インサイト”。フジ・サンケイ・ビジネスのHPから。