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筑豊電気鉄道2000形~「黄電」の姿は見納めに

2007-10-30 | 鉄道[九州・私鉄等]

九州ではJR九州が2009年春以降に福岡、北九州の両都市圏で導入するICカード乗車券の名称を九州弁の「すごか」とかけたという「SUGOCA(スゴカ/Smart Urban Going Cardの略)」にするという発表があって話題になっていますが、九州の交通関連事業者のHPを色々見ていた所、北九州市の黒崎を基点に、直方までの間を走る西鉄系の私鉄・筑豊電気鉄道(筑鉄)において車両の塗装を順次変更していくという情報が…

これは筑鉄で現在走っている2車種のうち、2000形と呼ばれる旧型車両(もう1種類の3000形と呼ばれる車両も、車体を更新しただけで下回りは旧式ですが…)の導入30周年(西鉄から転籍:それ以前から筑鉄の路線は存在していましたが、現在は全廃となった西鉄北九州市内線からの乗り入れで賄っていました)を記念し、7編成が在籍するこの車両を1編成ずつ異なる塗装に塗り替えるというもので、既に1編成が新塗装に衣替えしてデビューしています。

7種類の塗装は虹色を構成する色を1種類ずつ用いる事から「レインボー電車」と称し、白に各編成毎の帯色を入れた塗装となりますが、2年程度で2000形全編成の塗装をこの新塗装に変更するとの事で、「黄電(きなでん)」と呼ばれる西鉄天神大牟田線の2000形や貝塚線(旧宮地岳線)各車両と同じ黄色に赤帯の塗装は見納めとなります。

この新塗装は見るからに旧型の2000形よりも、見た目はそれなりに洗練された印象の3000形(それでも下回りは昔ながらの釣掛式というのが魅力ですが…)に施した方が良さそうな気がしますし、後者の方が稼働率も高い様に見受けられ、乗客へのPRという観点でも効果がありそうですので、2000形のみ塗装変更というのは少々奇妙な感もあります。

ただこの塗装変更は2000形を今後も車体更新(載せ変え)などを行わず、現状のまま暫く使い続けるという意志の表れなのかもしれませんし、西鉄の福岡・北九州両市内線(路面電車)が全廃となった今日でも、両線の様相を色濃く残すこの車両の末永い活躍に期待したいものです。

またこの塗装変更の反響を見ながら、3000形にも同様の塗装を導入するか否かを模索するのかもしれませんが、現在の2000形「黄電」塗装を見たい、この塗装の電車に乗りたいと思われている方は早めに筑鉄を訪問された方が良さそうで、また同線は路面電車形の車両がそれなりに整備された専用軌道を快調に飛ばし、釣り掛け駆動の車両ばかりという路線は全国的にも他に類がありませんので、派手なデザインが特徴のJR九州などに比べると地味な印象があるとはいえ、なかなか面白い路線です。

とはいっても北九州は遠く、首都圏どころか京阪神よりも韓国の方が遥かに近い地ですので、MAKIKYUも筑鉄電車にはまだ一度しか乗車した事がなく、余り馴染みのない路線ですので乗車の機会もなかなかないですが、またその内機会があれば乗車したいと思っていますし、その時にはこの「レインボー電車」の姿も是非目にしたいものです。

なおこの情報に関しては筑鉄HPにも詳細が掲載されていますので、興味のある方はこちらも合わせてご覧になられると良いかと思います。

写真は以前九州を訪問した際に撮影した「黄電」です。