
ネット上のニュースを色々見ていた所、「全席優先席」制を取り入れていた阪急電鉄(グループ会社の能勢電鉄、神戸電鉄も含む)で10月29日から優先席が復活するという情報が、幾つかのニュース記事をはじめ、阪急の公式HPでも公開されています。
これは8年前に全国で初めて車内の優先席を廃止し、乗客同士の譲り合いの精神に期待して「全席が高齢者や障害者優先」としていたものの、お年寄りの利用者らから「譲ってもらえない」「優先席があった方が譲ってもらいやすい」などの声が寄せられ、現実の前に理想が挫折したのが実情の様ですが、この問題はなかなか難しいモノと感じさせられます。
また同時に阪急系ならではの独特な取り組みである「携帯電話電源OFF車両」に関しても、さすがに梅田寄り最前部車両(最混雑車両)での携帯電話OFFは厳しいのか設定車両の変更が行われ、設定車両数も減少していますが、他社で一般的な「優先席付近での携帯電話電源OFF」は行われず、この独特な取り組みは引き続き行われます。
今回のこの2点の変更は、現実を踏まえるとMAKIKYUは妥当な判断なのかと思いますが(判断は大きく分かれるかと思いますが…)、こうなると気になるのが阪急に追随して近年「全席優先席」制を導入している首都圏の某交通局(地下鉄)で、こちらは他の首都圏鉄道と同じく優先席付近では携帯電話OFF(=即ち全車携帯電話電源OFF車両)としている事から、一部の利用者からは車内でのメール使用なども出来ずに難儀しているという話も聞きます。
またこの事業者では路線バスも運行していますが、こちらも近年ベビーカーを折り畳まずに乗車できる様になっており、これも同じエリアを走る他事業者とは扱いが異なる事から、こちらも問題が生じていますが、今後他事業者の動向を見ながら、これらの施策に何か変化があるのかどうかも気になる所です。
写真は首都圏某交通局(地下鉄)車両の窓ガラスに貼られている「全席優先席」案内のステッカーです。
MAKIKYUは英語に疎いのですが、詳しい方によるとこのステッカーの英語標記の表現も難ありの様で・・
横浜市営地下鉄と湘南台で接続する小田急のロマンスカー(湘南台駅には停車しませんが…)など、鉄道各社でも携帯で特急券を購入できるサービスを導入している事業者は結構ありますし、思い立った時に特急券を購入しようと思っても、地下鉄では電源を…といわれてしまい、その間に満席にでもなったらたまらない話ですし、それ以外の所用でも不便極まりないですね。
また全席優先席制を導入したとはいっても、従来から優先席だった箇所(一部の新型車両を除く)のみモケットが異なるものを使用しており、ここだけ優先席と思っている乗客も多い状況ですので、制度が余り徹底していない様に見受けられ、また全席が優先席や携帯電話OFFというのも実質的には余り守られていませんので、他者と同じ方向で行った方が良いのかもしれません。