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箱根登山鉄道・風祭駅の現状~短いホームに6両編成の電車が発着する光景も…

2008-02-28 | 小田急グループ

  
  

先日MAKIKYUは神奈川県内に居ながらも、日頃利用する機会が少ない箱根登山鉄道に久々に乗車したのですが、その目的の一つに、今度のダイヤ改正でバリアフリー工事が完了し、各車両でのドア扱いが開始される風祭駅の現状を見ておきたいというのがありました。

風祭駅は列車交換の為に、線路長は風祭駅を通過する7両編成(小田急の特急ロマンスカー11車体連接相当)同士でも交換できる様になっているものの、ホームの長さは登山電車(小田急の車両に比べて随分小柄です)がやっと収まる程度しかなく、車体長20mの車両が6両も連なる小田急から乗り入れの急行列車などが、単線で構内踏切も存在し、駅舎と反対側には第4種踏切(警報機や遮断機が未設置の踏切)もあるこの駅に停車すると、非常に不釣合いなものがあります。

また車両の長さの割に、ホームの長さが足りていない為に、小田急の車両が風祭駅に停車する際は、箱根湯本より1両のみで客扱いを行うという異例の状況になっており、それも他の鉄道で行われている一部車両のドア締切(小田急グループ内では江ノ電・腰越駅が有名で、他にも首都圏では東急大井町線の九品仏・戸越公園駅や、京急・梅屋敷駅などがあります)ではなく、係員が客扱いを行う車両の非常コックを操作してドアを開閉するという、他に類を見ない扱いを行っているのが大きな特徴です。
(ちなみに箱根湯本より1両であれば、風祭駅停車中は係員が開けたドア以外でも手動で開閉できますので、今風祭へ行けば小田急の通勤車両で、ドアを手動で開閉するという貴重な体験が出来ます―寒冷地のJRなどであれば全然珍しくない話ですが…)

しかし風祭駅は箱根登山鉄道の駅であるとはいえ、近年登山電車の小田原~箱根湯本間の運行が中止(全面中止になる前に、同区間の登山車両での運行本数大幅削減がありました)され、また入生田~箱根湯本の1駅間を除くと、俗に標準軌と呼ばれる登山電車の線路幅(1435mm)の軌道が撤去されて、狭軌(1067mm)の小田急車両しか走れない状況になっています。

そのため風祭駅をはじめ、小田原~入生田間の各駅は箱根登山鉄道の駅でありながらも、停車する電車は全て小田急の車両という異例の事態になっていますので、この状況は不便極まりなく、風祭駅のバリアフリー化と共にホームを作り直して延伸し、来月のダイヤ改正で箱根湯本寄り1両のみでの客扱いが解消される事になっています。

ただ風祭駅は元々踏切の存在などで空間が限られていた事で、ホーム長も短かった訳ですので、小柄な登山電車2~3両が停車できる程度のホームを、いきなり車体長20m×6両(120m)まで延伸するのは無理があります。

また箱根登山線内で20m車6両もの輸送力はなくても、大概は差し支えない事もあるのか、ホーム延伸を行ってもホーム長は80m強(20m車4両分)に限られており、その事もあってダイヤ改正以降小田原~箱根湯本間を走る電車(小田急車両:特急ロマンスカーを除く)は4両編成で運行される事になっています。
(現在4両分のホームは既に完成しており、箱根湯本より1両分以外は柵で仕切られている状況ですが、「これより先 乗車口はありません」という案内標識まで箱根登山のイメージカラーであるオレンジ色となっている辺りはさすがです)

そのため今まで新宿~箱根湯本間を直通運行していた急行が小田原で分断となりますので、今まで小田急線に乗車する度に幾度も姿を見る事ができ、当たり前の光景とも言える急行 箱根湯本」という行先表示を出した6両編成(更に4両の増結編成を併合して10両編成の事も)の電車が走る姿は見納めとなり、小田原~箱根湯本間の登山線内でも、何らかの事情が生じない限り、小田急の通勤車両6両編成が走る姿は見られなくなります。

こうなると4・6両の双方が存在する5000形(通称5200形と呼ばれる客窓が1段下降窓のタイプ)や8000形、1000形といった車両は、今後も登山線内を走る姿が期待できるものの、6両と8両(こちらは元々編成両数が登山線乗り入れ可能両数を超えていますので、従来から乗り入れなし)しか存在しない3000形は、登山線で走る姿がダイヤ改正で見納めという事になります。
(バリエーションという観点では、他に8000形更新車(現在走っている更新車両は6両編成のみ)や、1000形ワイドドア車(こちらも現在は6両編成のみ)もありますが…)

3000形というと、近年老朽車両の取替用に怒涛の勢いで増備され、今日小田急線に乗車すれば嫌でもやって来る程ですし、従来の小田急通勤車両とは随分様相の異なり、機能本位の車両といった感が強いですので、普段は人気も今一つといった所ですが、ダイヤ改正を近日中に控える登山線内においては、今は嫌でも来る程とはいえ、ダイヤ改正以降は入線する可能性が極めて低いだけに、小田急線内ではあまり注目されない同形が、現在登山線内でロマンスカーも凌ぎ、最も注目される存在になるというのは皮肉なものです。

また3000形の一部車両(同形の中でも比較的新しい編成)では、ドア上の車内案内表示装置がLEDによる文字スクロールに代わってLCDモニターが採用されており、LCDモニターを装備した小田急の通勤車両はこの車両を除くと、現在千代田線直通用で登山線には入線しない10両固定編成の最新鋭車・4000形のみとなっています。

そのため今後4両編成での新造車・或いは更新工事や編成組替でLCDモニターを装備した車両が登場しない限り、ダイヤ改正以降はLCDモニターで、登山線内の駅名を表示した状態を見る事も出来ませんし、まして「風祭でのお出口は、前より(或いは後より)1号車です」という表示(3000形は自動放送装置を装備していますので、勿論自動放送でもこの案内が入ります)はダイヤ改正以降は見る事が出来なくなります)ので、興味のある方は機会がありましたら、是非ダイヤ改正が行われる前に風祭駅を、それも出来る事なら3000形(特に車内にLCDモニターを装備した編成)に乗車して訪問されてみては如何でしょうか?
(ただ風祭駅ホームは非常に狭いですので、撮影の際は充分ご注意を…)

写真は風祭駅に入線する際の様子(箱根湯本行き車内から撮影)、駅ホーム、風祭駅を発車する3000形、同形の車内LCDモニター(ダイヤ改正で見納めとなる「風祭でのお出口は、前より(或いは後より)1号車です」の案内を表示)、風祭駅に入線する8000形更新車(この車両もダイヤ改正以降は見られなくなりますが、「これより先 乗車口はありません」の案内標識にも注目)と、6両編成の通勤車両には不釣合いな構内踏切と小柄な駅舎(勿論自動改札機も未設置で、PASMOなどのICカードは簡易形リーダーで対応)です。



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5 コメント

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TBのご協力お礼 (ツキだっ!)
2008-03-02 22:08:43
この度は,私のブログにTBをご送信いただき,誠にありがとうございました.
「このページについて」を拝見した上で,このコメントを,お礼かたがた書いている次第ですが,ルール違反等がありましたら,ご一報下さい.
こんばんは (MAKIKYU)
2008-03-04 23:09:55
こんばんは、管理人MAKIKYUです。
わざわざお礼のコメントありがとうございます。

管理人の多忙故にコメント・TBの公開が遅れてしまい、申し訳ありません。

今後も機会がありましたら、こちらのページへ時々顔を出して頂けると幸いです。
はじめまして (undo)
2008-03-04 23:19:36
はじめまして。undoと申します。

小生も先週末、初めて風祭駅に降りてまいりました。東京に住んでいたころはよく通っていたはずですが、近年ご無沙汰でした。

小田急登山線のような姿になってしまいちょっと残念でしたが、最後にあの景色を見てこれてよかったです。
風祭駅 (国仲 涼太)
2008-03-05 17:04:03
写真を拝見したところ,私の知っている風祭駅とは様変わりしていますねぇ!
今までの客扱いは趣味的には面白いのですが,今後は格段に利便性が向上しそうですね。

乗っていた車両のドアが開かなくて降り損なっちゃった,なんていう失敗談も聞いていますし(笑)
コメントありがとうございます (MAKIKYU)
2008-03-06 02:58:39
皆様こんばんは、コメントありがとうございます。

>undo様
はじめまして。
こちらも登山電車が健在の頃は、小田急ファンといえども登山電車を選んで乗った程でしたので、この頃は小田急線内でも乗れる小田急通勤車6両編成はむしろあり難くない存在でしたが、この列車、まして3000形を追いかける事になるとは、最近まで思ってもいない事でした。
また風祭駅は随分姿を変えてしまいましたが、名物であった3線軌条がなくなってしまったのも寂しいものですね。

>国仲 涼太様
以前の風祭駅が趣味的にかなり面白い駅だったというのはこちらも同感ですが、利便性を考えると無理がありますね。
また風祭駅での先頭車両のみ客扱いに関しては、車内放送での案内はあるものの、車両数を考えると端から端まで移動するには少々時間がかかりますし、その上大井町線の様な車内掲示もありませんので、確かに知らないと降り損ねもありそうです。

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