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南海12000系「サザン・プレミアム」(2)~車内編

2011-10-10 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

今月初めに取り上げた南海の特急「サザン」座席指定車用の最新型車両・12000系「サザン・プレミアム」ですが、今日は先日の外観編に続き、続編として車内の様子を取り上げたいと思います。

「サザン・プレミアム」は見るからに特異な雰囲気の空港連絡用特急車・50000系「ラピート」とは異なり、見た目は実用本位の印象が強い車両ですが、車内に足を踏み入れても、デッキ付近などは比較的シンプルな雰囲気となっています。

 
床材が客ドア付近だけ黄色く色分けされ、車椅子対応の大型トイレを備えているのは、今日の最新型車両らしい所で、白を基調とした壁面も、ドア部分だけ薄い青色で色分けしているのは、単調な印象になるのを避けるためにも良いアクセントと感じます。


客室に足を踏み入れると、こちらも「ラピート」の様な特異な雰囲気ではなく、一般的な特急車両と言う雰囲気が強く感じられたものですが、照明を天井中央と荷棚下部に配置するレイアウトが特徴的で、行先や次駅の案内が最新型にも関わらず、3色LEDによる文字案内なのは少々惜しい所です。


座席は特急車両では一般的な、背面テーブル付きの回転式リクライニングシートとなっており、座り心地は悪くないと感じたものですが、ヒーター配置の関係もあってか、最近の新型特急車では珍しく、座席下の足元が詰まっています。
(それでも最下部まで足元がカバーで覆われている他の特急車よりはまだ良いのですが…)


そのためシートピッチこそそこそこの広さが確保されているものの、足元が少々狭く感じてしまうのが難点で、難波~和歌山市・和歌山港間を乗り通しても1時間程度ではさほどの実害はないとは言え、今後「サザン・プレミアム」車両が増備される機会があるとするならば、ヒーター形状や配置を見直し、座席下の空間が広く確保される事に期待したいものです。

ちなみにMAKIKYUが「サザン・プレミアム」に乗車した際には、電動車狙い+海沿いの景観を楽しむ事を目論み、窓口で座席指定券を購入する際に、先頭車右窓側座席の空席を照会したら、時間帯の関係でガラガラだった事もあり、係員の方が気を利かせて最前部という特等席で発券してくれたものでした。


「サザン・プレミアム」では先頭車の乗降口が後側になり、乗務員室との間の仕切り部分も、客室側は一般車両と同じ様に乗務員室扉をはじめ、その両側もガラス窓がありますので、そこそこの前面展望を楽しめます。


ただ最前部に座っても、乗務員室内の機器配置などは特に前面展望を重視した雰囲気ではない上に、助士席側では前面窓付近に乗務員用カバンが置かれるなど、存分に展望を…という雰囲気ではなかったのは残念な所ですが、特急「サザン」は観光列車的要素が乏しい上に、運行形態が一般車併結で、難波行きでは一般車が先頭に立つ事などを考えると、偶然の産物でそこそこの前面展望が楽しめ、しかも先頭車が電動車であるだけでも上等かもしれません。

 
また「サザン・プレミアム」乗車中には中間車2箇所の扉増設準備が施されている区画も気になり、途中で様子を覗きにいったものでしたが、こちらは2号車が客室とは仕切られたフリースペースの様な雰囲気になっているのに対し、3号車は客室端に如何にも扉を増設できる事をPRするかの様な雰囲気となっており、様相が異なるのは意外でした。


MAKIKYUはなるべく電動車に乗りたい事もあり、「サザン・プレミアム」では出来れば2・3号車ではなく、両端の車両に乗りたいものですが、和歌山方面行き列車の3号車最前座席は壁面との間に結構なゆとりがあり、足元の広い座席を望むのであればお買い得区画とも感じたものですので、付随車(モーターなし)車両の方が好きな方には、この座席はおススメとも感じたものでした。

「サザン・プレミアム」に乗車した感想としては、車内には現代のニーズに応えたコンセントや空気清浄器も設置され、所要1時間程度の特急で用いる車両としては、実用面では申し分ないかと思いますので、座席下の足元空間確保の問題を別とすれば、居住性の面でも悪くないと感じたものです。

南海線特急「サザン」は一般車が4両しかない事もあってか、混雑が常態化しており、おまけに関西私鉄の一般車両の中では、新旧どちらもグレード面で芳しくない印象がありますので、「サザン・プレミアム」が充当されるのであれば、500円の座席指定料金も阪和間を乗り通すのであれば許容範囲で、南海電車で和歌山へ足を運ぶ際には、また利用しても…と思ったものでした。

とはいえ「サザン・プレミアム」以外の「サザン」は、座席指定車と一般車の双方共に草臥れた印象が強く、これではJR阪和線の新型車攻勢に対して劣勢も否めないかと思いますので、今後どの程度のペースで古参車が淘汰されるのかも気になる所です。



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