JR東日本が成田空港連絡列車として走らせている特急「成田エクスプレス」、JR発足後に運行開始した列車にも関わらず、運行開始当初に導入された車両が第一線から退いており、JR東日本における車両代替の早さを感じさせる一例と言っても過言ではない気がします。
先代車両・253系は一部が長野電鉄へ売却、また経年の浅い一部編成は東武直通特急用に改造転用され、MAKIKYUは長野電鉄で先代成田エクスプレス車両に初めて乗車する有様でした。
また現在成田エクスプレスで活躍中の2代目車両・E259系は2009年秋に運行開始しており、こちらも運行開始から既に7年以上の月日が経過しており、東京都心を超えて横浜などへ足を延ばす列車も多数設定されていますので、日頃首都圏各地の鉄道路線を利用する事も多いMAKIKYUは、嫌でも姿を見る車両の一つとなっています。
ただ大の飛行機嫌いで成田空港を出国や帰国で利用する機会はなく、成田空港へ足を運ぶ際も料金不要列車利用と言う事もあってか、成田エクスプレスを見かける機会は多いものの、乗車機会のない列車の一つとなっており、充当車両のE259系に関しても未乗という状況でした。
しかしながら今月富士急行線を利用した際には、富士急線内各駅乗降可能なフリー乗車券を利用、そして丁度不定期運行(主に土休日に運行)となっている成田エクスプレスが出発する時間に河口湖駅に居合わせた事もあり、少しだけですが成田エクスプレス&E259系に初乗車したものでした。
富士急線内は自社車両が専ら2~3両で運行している路線と言う事もあり、JRから直通する4両編成以上の列車運行に制約があり、始発の河口湖駅では最も長いホームでも6両編成だと1両分のドアカットが必要になる程。
そのため日頃6両編成で運行していると短く見えるE259系も、河口湖駅ではかなりの長編成と感じたものでした。
そして車内に足を踏み入れると、空港連絡輸送を主目的とした列車への充当を意図して導入された車両故に、車端部には荷棚とは別でラゲージスペースが設けられていますが、最近は空港連絡輸送用以外の列車でも設置される事例が数多く出ており、多少の座席定員数減を看過出来る状況なら、優等列車の付加価値として設置が進んでも…と感じます。
ちなみに現行成田エクスプレスは全て6両編成(1~5号車が普通車・6号車がグリーン車)か6両×2編成での運行となっており、MAKIKYUが乗車したのは普通車の方でしたが、座席モケットは黒を基調に赤いシートカバーがかかる先代同様の色使いで、外観塗装と同様に内装も先代車両の印象を踏襲しているとも感じたものでした。
ただ先代車両の大半は、普通車の座席がリクライニング・回転機能のない固定クロスシートとなっており、優等列車にしては物足りない印象が否めなかったのに対し、E259系ではJR在来線特急では一般的な回転式リクライニングシートに改められており、居住性の面では大改善されたと感じたものでした。
このリクライニングシートは普通車にしてはリクライニング角度もまずまず、片道2時間以上の乗車となる行楽特急などへの充当でも充分なグレードと感じたものですが、脚台が座席中央部下にあり、座席回転の際は足踏式ペダルではなくひじ掛け背後にあるレバーを操作するタイプとなっているのは少々独特と感じたものでした。
空港連絡輸送を主眼に導入された車両だけあり、自動放送やLCDモニターなどによる多言語案内も充実、富士急線内でも英語は当然として中国語や한국어の案内も見られる状況で、不慣れな人物にとっては複雑だろうと感じる運行系統を示す地図も表示されるなど、外国人向けによく考えられているなと感じたものでした。
また車内LCDモニター案内では、他車両と同様に富士山(旧:富士吉田)駅の英訳表示は「Fujisan」ではなく「Mt.Fuji」と表示される辺りは、評価が分かれる所だろうとも感じたものでした。
ちなみに河口湖発の成田エクスプレスは東京都心を経て成田空港まで運行しており、富士山麓一帯を訪問した外国人旅行者が終点まで乗車→そのまま航空便で帰国という事も少なくないと思いますが、JR線内は全席指定席の成田エクスプレスも富士急線内のみ空席利用も可能となっています。
富士急線内は自社車両による有料特急と同格扱いとなっており、大月~河口湖間の乗車では運賃+特急料金400円、富士山~富士急ハイランド~河口湖間のみの利用に至っては運賃のみで乗車でき、電車好きの子供を連れた家族連れが富士急ハイランド駅から1駅だけ乗車する姿なども見受けられたものでした。
MAKIKYUが乗車したのも河口湖→富士山の2駅間、成田エクスプレス&E259系の初乗車は乗車券のみ(特急券なし)での乗車となりましたが、車両設備を考慮すると乗車券のみでの乗車はかなり乗り得、機会があれば大月~河口湖間で乗車しても…と感じたものでした。
ただ全車指定席でA特急料金適用となるJR線内での利用となると微妙な所で、また海外旅行へ行く・海外旅行から帰る際の足として使う機会がない事を願いたい列車だな…とも感じたものでした。
(お断り)成田エクスプレスの主な運行区間は千葉県内・東京都内・神奈川県内などになりますが、今月MAKIKYUが乗車したのは富士急線内(=山梨県内)のみですので、この記事は鉄道[甲信越・北陸]カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。