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西の名車・今日限りで第一線から相次ぎ引退~今後も活躍は続きますが…

2010-02-28 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

 

日本国内の鉄道各線では、来月にダイヤ改正を控えている事業者や路線が数多く存在し、日本を代表する鉄道と言っても過言ではない東海道・山陽新幹線もその一つですが、東海道・山陽新幹線では来月のダイヤ改正を前に、今日限りでJR西日本の500系車両16両編成による「のぞみ」号の運転が終了となります。

500系は1996~98年にかけて製造され、今日の主力となっているN700系登場までは、東海道・山陽新幹線の営業用車両で最高性能を誇る車両であった事は余りに有名で、鋭い前面形状や航空機の様な丸い断面なども非常に特徴的な車両ですので、特に鉄道に詳しくない方でもご存知の方は多いかと思います。

ただJR西日本が10年以上前の時期において、新幹線の究極を求めた車両と言っても過言ではない車両だけに、製造コストは他の新幹線車両に比べて非常に割高な事もあって、500系の製造は僅か16両編成9本に留まっており、その後N700系が製造されるまでの間に導入された700系は、コスト面では優れているものの、性能的には500系よりも後発にも関わらず…というのも有名な話です。

また500系は特徴的な車体断面故に車内空間が狭く、丸い車体断面は独特な雰囲気がありますが、圧迫感を感じるという意見も少なくなく、新幹線を使い慣れたビジネスマンの中には、500系使用列車を敬遠する利用者も少なくないと言われた程です。

現にMAKIKYUが500系車両に乗車した時も、大柄なビジネスマンが途中駅で乗り込んだ際には、「丸過ぎて空間が…」といった事をはじめ、挙句の果てには「道理で指定席が取りやすかった訳か…失敗した」というボヤキを聞いた事もあります。

その上先頭車が鋭角で座席数が少なく、運転席寄りには客扉が設けられていない事もあって、各駅到着前の自動放送でも「この列車の1号車の前寄りと、16号車の後寄りには、出口はありません」といった放送が流れ、このアナウンスを聞くと500系乗車時に、その車両特性を嫌でも感じたものでしたが、高頻度で東海道新幹線を運行するJR東海からも、異常時に対応し難いなど運用上の制約が課せられる事もあって、余り良い評価は得られていなかった様です。

この様に余りに特徴的過ぎる車両だったが故に、汎用性と高性能を両立した今日の主力車両・N700系が台頭すると、「のぞみ」号での運用という第一線から退く事になり、近年徐々に「のぞみ」号での充当が減少していましたが、MAKIKYUが最後に500系に乗車した昨年10月時点では僅か2往復、その後更に運用列車が減少して1往復のみとなっています。

「のぞみ」号での運用を退いても、東海道新幹線での下位種別(ひかり・こだま)へ運用される事もなく、後は専ら山陽新幹線内の「こだま」号に充当し、これによって旧型車両を玉突き淘汰していますが、山陽新幹線「こだま」号への転用にあたっては、16両編成では輸送力過剰な事もあって半分の8両に減車され、余剰となる中間車は改造や転用が困難な事もあって廃車となっています。

また新幹線500系車両が「のぞみ」号での運用終了となる今日は、やはり西の名車に数えられ、こちらもMAKIKYUは何度か乗車した事がある阪急京都線の特急専用車・6300系も、来月のダイヤ改正を前に、京都線での特急運用が終了となります。

こちらは1970年代に製造された車両ですので、経年を考えるともう廃車になっても…という時期ですが、阪急京都線では1960年代製の車両が未だにゴロゴロしている状況ですので、まだ京都線特急運用という第一線からの引退は…と感じてしまうのも事実です。

1960年代製の古参車よりも先に引退となる要因としては、近年が特急停車駅が増加(以前の急行とほぼ同レベル)し、途中駅での乗降が増えて乗降に時間を要する2扉車では不便な事や、扉配置が車端に寄っており、単純に中央扉を増設して3扉化できない事が挙げられます。

そのため先代特急車の2800系や、京急・西鉄の先代特急車(京急は快特ですが…)の様な一般車化もままならず、編成単位での廃車も多数発生している状況ですが、一部は2扉の扉配置は存置したまま大規模なリニューアルを施し、8両→4両編成に短縮されて嵐山線用に転用されているのはせめてもの救いです。

JR西日本と阪急電鉄、どちらも関西を代表する鉄道事業者で名車に数えられる車両が、ダイヤ改正を来月中に控えた同じ日に、相次いで華やかな第一線から退き、編成を半分に短縮して今後は専ら第2の活躍に移るという同じ運命を辿るのは、ただの偶然ではないのでは?と感じてしまうものです。

また今後活躍の舞台を移す事で、阪急京都線と東海道新幹線が併走する区間において、500系新幹線と6300系電車が併走する姿も見られなくなりますが、両名車の第1線での活躍ぶりを労い、その勇士を記憶に留めておくと共に、第2の活躍舞台では暫くの間走り続ける事が見込まれますので、こちらでの今後の活躍も期待したいものです。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (試運転スー)
2010-03-05 03:10:52
TBありがとうございます。

東京からあの勇姿が見られないのは寂しいですね。山陽区間での余生を永く過ごしてもらいたいものです…。
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その通りで… (MAKIKYU)
2010-03-08 11:28:46
試運転スー様こんにちは。

首都圏で500系の姿が見られなくなるのは覚ましく感じるのは同感で、JR東海が東海道新幹線の規格統一化を強く推進している事を実感させられます。

もっと古く、性能も劣る300系がまだまだ活躍する現時点での東海道区間撤退は残念なものですが、山陽区間での今後の活躍に期待したいのも同感で、こちらでは最近引退した0系並みの長い活躍ができるのかも気になるものです。

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