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JR東日本 新幹線E6系電車~「スーパーこまち」などに用いられる新在直通用最新型車両

2013-07-21 | 鉄道[新幹線]

秋田新幹線開業に合わせて導入された「E3系」電車は、今年に入ってから最新鋭のE6系電車への代替がはじまり、先行導入車の「R1」編成は昨日ラストラン、その惜別セレモニーも催された事がニュースで報じられており、ご存知の方も多いかと思います。

この様なニュースを聞くと、比較的新しい路線と言う印象がある秋田新幹線も、車両代替を迎える時期になり、開業から結構な年数を経たものと感じる一方で、走行距離や車両使用状況などが、在来線とは比べ物にならない過酷な条件下で運用される新幹線車両の寿命が短い事を改めて実感させられます。

MAKIKYUも秋田新幹線こそ乗車機会は少ない状況ですが、少し前の3連休には所用で秋田市内まで足を運ぶ機会があり、その際にはE3系の代替で導入されている新在直通用の最新鋭車両・E6系にも初乗車する機会がありましたので、今日取り上げたいと思います。


E6系はフル規格用の新鋭車両・E5系と併結し、従来以上の高速運転(最高速度300km/h以上)に対応した車両で、この事もあってかE5系と同様に先頭車は「鼻が異様に長い」スタイルとなっています。

この特徴的な形状の影響で客室空間が狭くなるために、先頭車両の座席定員がかなり少なくなっているのが大きな特徴で、定員減に対処するためにE3系(秋田新幹線用)より1両長い7両編成となっており、在来線区間の一部駅ではホーム延伸工事も行われた程です。

E6系は屋根上と共に先頭部が真っ赤な装いとなっていますので、前面を見ると天狗を連想させる風貌と言っても過言ではなく、新幹線車両にしては比較的ソフトな印象の先代車両・E3系に比べると、外観はかなり強烈なインパクトのある車両と感じます。


ただ車両側面は淡い装いとなっており、鮮やかな緑色が特徴的なE5系と併結した際には、控えめな印象を受けるもので、E5系に比べると地味な存在の脇役的車両という印象を受けます。


新在直通用車両だけに車体幅が狭く、フル規格新幹線区間では各ドア下に設置されたステップが跳ね上がり、ホームとの段差を解消しているのも大きな特徴です。


車内に足を踏み入れると、車体幅の狭さ故に普通車の座席配置は2+2列、在来線特急に乗車している様に錯覚させられます。


暖かみのある内装や、デッキと客室を仕切るドアの下部に描かれた稲穂のイラストなどは、乗った瞬間から「秋田」を連想させる車両と言っても過言ではなく、比較的好印象を受けたものです。

また座席自体もE5系と同様に、特徴的な形状の「可動式枕」が装備されているのも特徴で、これは好みが大きく分かれる代物かと思いますが、個人的には座席を倒しても頭の倒れる角度が小さくなる事もあってか、見た目はともかく実用的にはない方が…と感じます。

ちなみにMAKIKYUがE6系に乗車したのは、画像を見て気付いた方も居られるかと思いますが、同系限定運用となる新在直通運転の「スーパーこまち」号ではなく、東北新幹線内のみを運行する「やまびこ」号です。
(秋田まで足を運ぶのに「邪道」という声も出るかもしれませんが…)


案内表示器に関しては最近の新幹線では一般的な「文字サイズの大きなフルカラーLED」、在来線ではLCDモニター装備車両が一般的な今日でも、日本の高速列車における車内案内装置は何故かLED表示ばかりで、そろそろLCDモニターが出てきても…と感じます。
(高速列車も韓国のKTXは、初代と山川(後に増備された車両)共にモニター案内なのですが…)

乗車した「やまびこ」号は、途中駅ではE2系+E3系の併結列車にも追い抜かれる「下克上」状態で、こんな光景が見られるのは、車両代替の過渡期ならではと感じたもので、停車駅が多く乗車時間は長くなる「やまびこ」号は、E6系の初乗車を堪能するにも絶好と感じたものでした。

E6系が通常「スーパーこまち」「こまち」号で運用される場合は、基本的に全席指定席となりますが、「やまびこ」号で新在直通用車両を併結して運行する場合、新在直通用車両は基本的に自由席となります。

MAKIKYUが乗車した「やまびこ」号は臨時列車で、編成が長く供給座席数が多い事もあってか、乗客数が多く指定席完売の列車が続出している3連休初日でも、下りの大宮出発時点でも自由席の半分も埋まらず、2人がけ座席はグループ客の乗車を除くと、殆どがゆったりと過ごせる「ひとりだけシート」状態でした。

仙台を過ぎたら各号車共に数人程度しか乗っていない状況で、この「やまびこ」臨時列車は多少の時間的余裕があれば穴場的存在と感じ、料金が少し安くなる上に好きな座席を選べ、「わざわざ指定席券を買わなくて良かった」と感じる状況でした。


また普通車だけでなくグリーン車も車体幅が狭いにも関わらず2+2列、設備的にはE5系などに比べると見劣りが否めないにも関わらず、終点盛岡までわざわざこのグリーン車に乗車している乗客が見受けられたのは少々驚きで、わざわざE6系の初乗りを目論む乗客は、MAKIKYU以外にも幾人も…と感じる状況でした。

E6系に乗車した際の感想としては、在来線特急の一般的レベルなどと比較すればまずまずで、内装の雰囲気なども悪くないと感じたものですが、シートピッチなどの面で同世代のフル規格車両・E5系に比べると見劣りが否めず、東北新幹線内のみの利用でE5系+E6系の併結編成による列車に乗車する際、同じ料金・混雑率であれば、E6系を選ぶのは…と感じたものでした。

新在直通用車両の客室設備が若干見劣りするのは、座席定員が少なく在来線区間への直通需要がある車両を、フル規格新幹線内だけの指定席利用客にはなるべく選ばせず、意図的にフル規格車両へ誘導しているのでは…とも勘ぐりたくなる程です。

とはいえシートピッチなどで設備的に見劣りが否めない車両を、料金がやや低額で、短距離利用客が多い傾向にある自由席車として運用するのは賢明な策かと思います。

新在直通用車両を輸送力の増強が必須な時期の臨時列車に、フル規格車両の増結車として運用するのも、需要に合わせて供給座席数を増やすという点では評価できる事と感じます。

秋田新幹線ではE6系導入に伴い、E3系が代替対象になり、これらの中には後に増備されて経年の浅い車両も含まれていますが、性能上今後東北新幹線E5系に併結しての運用は難しくなり、東北・秋田新幹線以外で運用できないのであれば、余剰廃車も免れない状況です。

しかしながら上越新幹線では不恰好な外観に加え、性能面でも芳しいとは言い難く、居住性も余り評価できないものの、供給座席数に関しては他車両の追随を許さない全車2階建てのゲテモノ車両が主力を占めており、近年この車両の運用離脱も始まっています。

これを単純に現在上越新幹線への転用が進むE2系(10両編成)で代替するともなれば、相当な増発でもしない限りは供給座席数の大幅減少にもなります。

E3系の居住性も大曲方普通車の長時間乗車などはやや難ありですが、全車2階建てのゲテモノ車両に比べれば遥かに良好かと思いますし、運用上の物理的制約も殆どないかと思います。

そのためE6系導入で余剰となる経年の浅いE3系の一部車両を、上越新幹線のラッシュ時や繁忙期における自由席車として運用し、輸送力増強用として活用できれば…と感じますが、こんな事を感じているのはMAKIKYUだけでしょうか?



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