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近年は路線バスも運行する岸和田観光バス

2016-01-21 | バス[近畿]

先日長野県軽井沢町でスキーバス(旅行主催:キースツアー・バス運行:イーエスピー)の特別重大事故が発生、多数の死傷者が発生している事は、ニュースなどでも盛んに報じられていますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方もご存知かと思います。

スキーバスの旅行主催を行ったキースツアー(東京都渋谷区)と、バス運行を行っていたイーエスピー(東京都羽村市)に関しては、事故後の警察による捜査でも法令違反事項が次々と発覚しており、余りの杜撰さに呆れる限りです。

先日の特別重大事故も報じられている運行管理体制や、事故発生後の2社幹部対応などを見ていると、不幸にして発生した不可抗力的な事故ではなく、今まで事故が発生しなかった方が不思議で、2012年にハーヴェストツアー(大阪府豊中市)が主催、千葉県印西市の陸援隊(針生エキスプレス)が怠起した関越自動車道における高速ツアーバス特別重大事故の2社に通ずるものが多々あると感じています。

ただ事故発生後の捜査で次々と明らかになる杜撰な状況も、旅行業界やバス業界、監督官庁などの関係者やその近隣ですら、ここまで酷いとは想像できないと思いますし、大学生が大半を占めていたツアー参加者側も、旅行会社などを相手に執拗に価格低減を求めた訳ではありませんので、一部で言われているツアー参加者の「安い商品の危険性を承知して申し込んだ者の自己責任」と言う指摘は、とんでもない話と感じています。
(特別重大事故発生後も
「バスや宿は大手と全く変わらないのです!」と謳い、挙句の果てに「滑る前から滑ってらっしゃる!」「キースツアー恐るべし」という自社主催ツアー参加者の結末を予言する様な宣伝漫画を掲載し続け、多くの若者を欺いてきた某旅行会社の企業体質はどうしようもないですが…)

改めてスキーバス事故で不幸にも亡くなられた方の冥福を祈ると共に、負傷された方の回復と、今後同種の欠陥商品が生み出せない様な監督省庁における法令制定や監督強化、そして悪質業者の淘汰が進む事を願いたいものです。

前置きが長くなってしまいましたが、今年に入ってからは杜撰極まりない運行管理を続けていたイーエスピー以外でも、国内でバス事故が相次いで報道されており、その後も福井県内で岸和田観光バスの横転事故が発生しています。

この事故は強風で車体が揺さぶられたとも報じられており、複数の負傷者も発生していますが、現段階で死傷者発生の報を聞かないのは不幸中の幸いと感じています。

ちなみに岸和田観光バスは名前の通り観光バスを主体とした事業者で、設立から60年余りが経過、全国的な地名度はさほど高くないと思いますが、観光バス事業では永年の実績を積み重ねている事業者の一つです。

路線バスに関しては参入から日が浅く小規模ですが、高速乗合バスと一般路線の双方を運行しており、先日の横転事故も大阪~福井・石川県内の温泉郷(芦原温泉・片山津温泉など)を結ぶ高速乗合バス「SPA LINE 北陸」で発生したものです。

MAKIKYU
は日頃首都圏に身を置く事もあり、岸和田観光バスの観光バスと高速乗合バスには乗車した事はありませんが、一般路線には1度乗車した事があります。


乗車した事があるのは和泉府中駅
(JR阪和線)~泉大津駅(南海本線)~泉大津港間を結ぶ路線、この路線は実質的に泉大津港を発着する阪九フェリーへの接続バスとなっており、専属車両(いすゞエルガミオ)は充当路線限定のため、行先・経由地表示が固定式となっているのも大きな特徴です。

泉大津港行の泉大津駅は乗車のみ、泉大津港発の泉大津駅は降車のみとなっており、以前は無料シャトルバスとして泉大津港~泉大津駅間のみで運行していた便を有償路線化した事もあってか、泉大津駅で乗降する場合は運賃無料、和泉府中駅で乗降する場合は270円の運賃を要する変則的な形態になっているのも大きな特徴です。

泉大津駅~和泉府中駅間の移動であれば、泉大津駅の反対側(東口)を起終点とする南海バスが頻発、こちらの運賃は270円に満たない状況(数十円差ですが…)ですので、阪九フェリーと阪和線を乗り継ぐ際には、泉大津港~(岸和田観光バス)~泉大津駅(南海バス)~和泉府中駅の乗継ルートの方が若干割安になります。

ただフェリー旅客は多数の荷物を抱えて乗船する事も少なくないと思いますし、泉大津駅で南海線を跨いで乗り換える手間も考えると、運賃設定的にもありえない金額ではないのでは…と感じています。
(
ちなみにMAKIKYUが阪九フェリー乗船目的で泉大津港へ足を運んだ際は、大阪市内~泉大津間で南海電車利用でしたので、泉大津駅~和泉府中駅間で岸和田観光バスに乗車した事はありませんが、同区間の南海バスは何度か乗車した事があり、こちらは更に東に位置する和泉中央駅(泉北高速鉄道)などへアクセス可能な便もあります)

杜撰な運行管理も災いして発生したイーエスピーの特別重大事故が問題化している最中、相次ぐ事故事例の一つとして岸和田観光バスの名前が挙がってしまったのは残念と感じています。

ただ陸援隊
(営業資格取消)やイーエスピーなどの杜撰極まりない3流事業者とは、安全管理体制などは大違いかと思いますし、安全第一の運行と同種事故再発に努め、事故報道で再び岸和田観光バスの名前が挙がらない事を願いたいと感じたものでした。