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東京メトロ15000系電車~東西線で活躍する新型ワイドドア車

2011-06-22 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

今月に入ってからMAKIKYUは東京メトロ東西線を利用する機会があり、最近では時々利用機会がある程度と言う同線ですが、その際には15000系と呼ばれる新型車両に、初めて乗車する機会がありました。


15000系は昨年から導入が開始され、車両構造的には日立製作所アルミ製標準仕様車両の一派に当たりますが、これによってまださほど古い車両とは言えない05系でも、比較的初期のチョッパ制御車が早くも淘汰対象になってしまい、一部は既に船積みされて遠く離れた赤道直下の地へ輸出されており、車両面ではかなり念入りに手入れをして永く使い続ける営団時代との変貌振りを実感させられます。

また東西線は首都圏有数の混雑線区として知られるだけに、15000系では混雑対策としてワイドドアを採用した事が大きな特徴となっており、ドア幅が1800mmとかなり幅広な為に、座席数も大幅に減少しています。

ワイドドアと言うと、旧営団~東京メトロ以外では、小田急でドア幅2000mmワイドドア車導入の取り組みが失敗し、後にドア縮小改造を行った車両が不恰好な姿で活躍していると共に、その後導入された2000形車両などでは、座席数確保と乗降性確保の両立を狙った1600mm幅のドアを採用している事は、ご存知の方も多いかと思います。
(小田急ではその後車両規格標準化の関係で、最近ではドア幅1300mmに逆戻りしていますが…)

小田急の1600mmドアは、実用性や外観なども悪くないと感じていますので、そこそこ乗降頻度が高く、混雑率も比較的高い線区では、この辺りが妥当な所では…と感じていますが、東京メトロで15000系が1800mmドアを採用したのは、以前導入した05系ワイドドア車に規格を合わせる事を重視したのかもしれません。

車両の外観は新05系とも呼ばれる05系後期車と、副都心線で活躍する新生東京メトロの象徴ともいえる10000系電車を折衷した感があり、ボルスタ付き台車の採用なども10000系などと同様の特徴と言えますが、側面のラインカラー配色が非常に特徴的で、ワイドドアの新型車である事を一般に強くPRしている様に感じられたものです。

車内に足を踏み入れると、首都圏の電車では比較的高級感のある内装が特徴的だった新05系とは異なり、白色無地の化粧板にブルー系の座席モケットなど、シンプルな印象を受けたもので、化粧板は車端部だけ色彩を変えているのがアクセントになっています。

 
座席の座り心地が、一時期のメーカー標準品を用いた車両より改善された事などは評価できる所ですが、内装は貧相な印象が否めない南北線9000系の増備車よりは良いものの、凝った内装が注目を集める10000系や16000系などに比べると、やや見劣りが否めないと感じたものです。

とはいえ車両側面の行先表示がフルカラーLEDとなり、快速などの優等種別が存在する東西線において、色彩による種別案内が的確にできる事や、車内でもドア上にLCDモニターを装備し、様々な案内情報を表示している点などは、今日の最新型車両らしく、またボルスタ付き台車の採用も影響してか、走行中の横揺れが少ないと感じた事も評価できる事です。

やや簡素な雰囲気ながらも、混雑対策などの実用性を重視した車両というのが個人的な印象で、それでも東西線は西船橋から東京都心の主要駅まで概ね270円~300円という割安な運賃(この事も混雑を助長する大要因ですが…)で利用できる事などを考えると、他の東京メトロ車両の雰囲気が高級過ぎるだけで、充分妥当なレベルかもしれません。

個人的には座席数の少なさなどもあり、東西線に乗車する時はこの車両よりも新05系や07系など、東京メトロの他形式に当たった方が…とも感じてしまったものですが、それでも東西線の両端で相互直通運転を行っている他社から乗り入れてくる「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の代表格と言える形式の電車(その中では異端の部類ですが…)に比べれば、内装や居住性ははるかに上等ですので、東西線利用時に時々やって来るこの「ハズレ」電車だけは何とかならないものかと感じてしまったものです。