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人吉タウンバス「さるく人吉」~専用デザインの車両が活躍するものの…

2010-07-05 | バス[九州本土]

 

先日「MAKIKYUのページ」では、人吉市内を走る観光巡回バス「じゅぐりっと」号に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月人吉を訪れた際には、このバスの他に「さるく人吉」と呼ばれるコミュニティバスにも乗車する機会がありました。

「さるく人吉」は今年3月に運行開始したばかりの新路線で、「じゅぐりっと」号や人吉市内を走る一般路線バスと同様に、産交バスが運行を行っています。

主に人吉産交・人吉駅~人吉ICを結ぶ区間を運行していますが、この他に一部便は更に人吉産交~温泉町方面を循環運行する運行形態となっています。

この「さるく人吉」の運行開始と共に、「じゅぐりっと」号の人吉IC乗り入れは中止され、「じゅぐりっと」号は市内中心部の運行に特化する事になり、両者で役割を分担する格好になっています。

「さるく人吉」の運賃は「じゅぐりっと」号とは異なり、一般路線バスと同等の距離制(初乗り130円・整理券方式)となっており、両者の路線が重複する区間では、「さるく人吉」の方が安くなるケースが多いですが、「さるく人吉」はコミュニティバスながらも産交バスの一般路線と同等の運賃体系となっていますので、産交バス専用回数乗車券をはじめ、わくわく1dayパス(熊本県内版)やSUNQパスでの乗車も可能となっています。

人吉駅周辺~市内中心部~願成寺周辺の移動では、運行経路などは異なるものの、「さるく人吉」と「じゅぐりっと」号のどちらも利用可能な事もあって、両者で運賃制度は異なるものの、2つのバスが利用可能な共通定期券(産交の一般路線バスでは重複区間でも使用不可)が一般月2000円と、バス定期にしては極めて安価な値段で設定されている事も、大きな特徴と言えます。

使用車両は運行開始したばかりのコミュニティバスという事もあって、近年のコミュニティバスでは定番車種の一つと言える低床マイクロバス・日野ポンチョの専用塗装車が導入されていますが、夕方の一往復は運行時間の関係で、産交バスの一般路線車が動員されています。
(この時間はその気になれば「じゅぐりっと」号の車両を動員する事も不可能ではないのですが…)

MAKIKYUが乗車したのは午前中だった事もあり、「さるく人吉」専用塗装のポンチョに当たったのですが、このバスのデザインは九州内をはじめ、主に西日本の鉄道をはじめとする公共交通機関のデザインで有名な某デザイナーが手がけています。

そのためこのデザイナーならではと言える車体随所に書かれたロゴや英文字が特徴的で、ありふれた車種ながらも外観は非常に目を引くものですが、車内に足を踏み入れると外観とは裏腹に、比較的一般的な仕様となっています。

同じデザイナーが手がけた福岡市内の観光循環バス「ぐりーん」(以前取り上げた事があり、該当記事はこちらです)の如く、某デザイナーの個性が強烈に発揮された車両でない点は残念な所で、人吉周辺の鉄道では某デザイナーが内外のデザインを手がけ、目を引く車両がゴロゴロしている事を考えると、物足りない面も感じたものです。

とはいえ「さるく人吉」は人吉周遊バス「じゅぐりっと」号の様な観光客向けに運行しているバスではなく、基本的には地域住民の足として活躍するバスと言う事も考えると、趣向を凝らした車両を充当する必然性はありませんので、車両面で余り過大な期待は出来ませんが、人吉市内中心部の移動手段の一つとしては有用な存在です。

また九州自動車道を走る高速バスを利用する際に、人吉駅周辺や市内中心部~人吉IC間の移動手段としても活用できますので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非「さるく人吉」に乗車してみては如何でしょうか?