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いしかわ子ども交流センター小松館を走る「なかよし鉄道」

2009-10-13 | 博物館・保存施設等

   
  

もう一月程前の事になるのですが、先月MAKIKYUは青春18きっぷの有効期限(9月10日)が迫る頃に2回分使い残していた事もあり、この2回分を使って北陸へ出向いていました。

北陸へ出向いた際はムーンライトながら号車中泊+富山県内1泊の日程ながら、石川県内で数箇所途中下車しており、小松市内でも途中下車しているのですが、その際にはいしかわ子ども交流センター小松館(旧石川県立小松児童会館)を走る「なかよし鉄道」にも乗車する機会がありましたので、今日取り上げたいと思います。

いしかわ子ども交流センター小松館は北陸本線・小松駅の隣に位置する粟津駅(普通列車が昼間毎時1本程度停車するだけの小駅ですが、一応有人駅で駅前にはコンビニもあります)から、徒歩で10分弱程度の所に石川県の公共施設です。

この施設に隣接する粟津公園には、なかよし鉄道と呼ばれる子供向けのお伽鉄道の線路が400m以上(円周ではなく棒線で、行き止まりまで進行した後、来た道を返す運行形態です)に渡って敷設されており、当然非電化ながらも線路幅762mmの軌道が公園外周の半分弱を取り巻く様は、子供向けのお伽鉄道にしてはかなり本格的と言えます。

しかもなかよし鉄道で用いている車両は、最初から遊具として製造された車両ではなく、過去に現役で営業用として活躍していた車両で、それも小松の地で30年以上前の1977年(MAKIKYUもまだ生まれる前です)に廃線となり、日本最後の非電化軽便鉄道として知られた尾小屋鉄道の車両(廃線当時でも決して新しい車両とは言えず、ましてこの頃に製造された鉄道車両も近年各地で引退が相次いでいる状況ですので、今日では相当な古参車両になります)が今もなお活躍している点は驚きです。

またなかよし鉄道は希少な尾小屋鉄道の車両を用いており、維持にも相当な経費を要していると思われますが、石川県の施設で車両も県の公有物という事もあって、誰でも運賃無料で乗車できるのも嬉しい限りです。

運転日は冬季を除く水曜日と土・日・祝日のみ、運転時刻も水・土曜日は11時30分発の1本、日・祝日はこれに15時30分発が加わるだけ(年2回の特別運行日のみ大幅増発されます)に限られており、その上公共交通機関ではなく遊具扱いという事もあって、悪天候時などは運休になる事もありますので、はるばる遠方から尾小屋鉄道の車両を求めて訪問しても…という事もあるのは難点です。

ちなみに現在なかよし鉄道で活躍する尾小屋鉄道の車両は、キハ1号と呼ばれる気動車と、DC121号と呼ばれるディーゼル機関車、ホハフ3・8号の客車2両(計4両)で、運行時以外は始発駅に隣接する屋根付きの車庫に格納されている事や、運行頻度・走行距離の関係などもあって、車両状態も素人目に見て一部の地方私鉄などより良いかも?と感じた程です。

MAKIKYUが訪れた日はキハ1号の気動車単行で運行されており、年2回の特別運行日以外は基本的にこの車両で運行している模様ですので、機関車牽引の客車列車に比べれば、遥かに乗車機会のある車両です。

それでも軽便気動車自体、少なくとも日本国内での乗車機会は…という状況で、キハ1号はその上戦前(昭和12年)製の古参車ですので、運行距離は僅かで物足りない感もあったものの、わざわざ粟津まで足を運んだ甲斐があったと感じたものでした。

地方にしては比較的公共交通機関でのアクセスが容易な立地とはいえ、北陸地方以外の人間には決して行き易いとは言い難く、その上運転日や運行本数も考えると尚更乗り難い存在のなかよし鉄道ですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方も小松周辺を訪問する機会がありましたら、是非乗車を検討してみては如何でしょうか?