みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

その咳、マイコプラズマ肺炎の可能性も

2012-08-04 06:25:14 | 感染症
その咳、マイコプラズマ肺炎の可能性も 耐性菌急増、受診早めに

■マイコプラズマは肺炎の原因となる一般的な細菌で、発熱した後にせきが続くのが特徴。
鼻水はほとんど出ない。
小学校や幼稚園などで集団感染しやすく、子供の肺炎の原因では最も多い。
ただ、大抵は軽症で済む。
感染しても発症しないケースも多い。
予防用のワクチンは今のところない。

■耐性菌は2000年ごろから少しずつ増加。
北里大学北里生命科学研究所の調査では、10年ごろには約60%が耐性を持ち、11年には85%を超えた。
耐性菌の場合は、テトラサイクリン系やニューキノロン系と呼ぶ薬を使わないと治らない。

■11年4月に改訂された日本小児感染症学会などの治療指針では、マイコプラズマ感染が疑われる場合、まずはマクロライド系の薬を使い、2~3日しても熱が下がらない場合は、テトラサイクリン系やニューキノロン系の薬を使うよう推奨している。
(効き目の高いテトラサイクリン系の中には、8歳未満の子供に長く使うと歯が黄色くなる可能性がある薬も存在する)

<マイコプラズマによる感染の特徴>
・細菌の大きさは大腸菌の10分の1
・200種以上存在するといわれるが、人に病気を起こすのは1種類
・5~50歳ぐらいで発症するが、子どもでも肺炎になりやすい
・潜伏期間は2~3週程度
・せきやくしゃみなどの飛沫で感染
・加熱やせっけんなどに弱い
・気管支炎など軽く済むことも多い


<抗菌薬と耐性の有無>
マクロライド(クラリスロマイシン、アジスロマイシン);耐性菌あり
テトラサイクリン(ミノマイシン);耐性菌なし
ニューキノロン(トスフロキサシン);耐性菌なし


http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44464850S2A800C1EL1P01/


出典 日経新聞・Web刊 2012.8.3
版権 日経新聞社

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