みみずく医者の備忘録

名古屋市名東区の内科開業医です。日々の出来事や診察室でのエピソードなどを織り交ぜて綴ります。個人的なメモ代わりです。

呼吸力、リハビリで保つ慢性閉塞性肺疾患

2012-09-18 07:29:09 | 医療一般
呼吸力、リハビリで保つ 喫煙などによる慢性閉塞性肺疾患

要約
喫煙などで起こる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者が増えている。
推定患者は500万人以上ともいわれる。
体を動かすと息切れをしたり、せきやたんが出たりする。
元気に日常生活を送るには、薬による治療だけではなく、呼吸法のリハビリや栄養管理も大切だ。


●ストレッチや腹式…筋肉を意識
COPDは喫煙、ちり、化学物質などを吸い込むことで起こる。
2010年の人口動態統計では、日本人の死因で9番目。
1万6293人が死亡した。厚生労働省の調査では08年に22万人が治療を受けている。
治療の大前提は禁煙だ。

腹式呼吸の要点
腹式呼吸では、口をすぼめると、吐いたり、吸ったりしやすくなる。
息を吐く時は、吸う時より2倍の時間をかける。


●呼吸のリハビリ以外にも栄養管理が必要。
(食べないと、呼吸に使う筋肉も落ちる)

●毎日、体調やせき、息切れ、歩行数、運動内容、食欲、酸素使用時間などを記録することで、長く続けやすくなる。

●重症の患者は、心臓の病気を抱えている人も多く、激しい運動はよくない。


https://aspara.asahi.com/blog/mediblog/entry/iW4gZb7sEo

出典 朝日新聞 apital  2012.9.6
版権 朝日新聞社


私的コメント
呼吸不全の患者さんは、普通ベッドに横になっていれば、何の不自由も感じませんが、外出して階段や坂道を歩いたりすると息切れを感じます。
(もちろん重症化すれば安静時にも息切れを感じるようになります。そういった方は在宅酸素療法(HOT)の適応となります)

症状がひどくなると、入浴やトイレなどへ行くのにも息切れを感じるようになります。
そして、ベッドにいることが多くなり、最後にはベッドから離れようと思っても離れられなくなってしまいます。

これは、呼吸不全からくる息切れだけではなく、動かないことによる手足の筋肉の衰えが重なり合い、ますます動作ができなくなっているのです。

この状態にならなおようにするのが呼吸リハビリテーションです。
呼吸不全といっても、肺の全てが障害されている訳ではなく健全な部分もあるのです。
しかし多くの患者さんは健全な部分を十分に生かし切れずに息切れで悩んでいることが実際には多いのです。

呼吸リハビリテーションとは呼吸不全の仕組みを理解して、肺の健全な部分をできるだけ生かしながら呼吸不全と上手につき合える生活を得るために実施され、患者さん及びその家族の方に対して、継続的に行っていくものなのです。

当院も
http://search.qlife.jp/saas/copd/
に掲載されています。
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