ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

YouTubeにUPされた映像が「引用」といえるために

2006年07月22日 | コンテンツビジネス
中島聡さんが、YouTubeを使ったテレビ番組の一部をUPLOADすることは「引用」に当たるのではないか、というなかなかセンセーショナルなBLOGを書かれている。これはなかなか興味深い意見だし、「著作権法」がすでに現実に追いついていないという点も全く同感。ただし、おそらく確信的な問題提議であってわかっているのだとは思うが、これは「引用」とはいえないだろう。

 CNET Japan Blog - 中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル:YouTubeを使ったテレビ番組の『引用』の合法性に関する一考察

文章などで「引用」する場合、当然、書き手が自らの意見を表明するために、その参考として(あるいは批判の材料として)他者の文章の一部を抜き出すわけだが、YouTubeにUPされているTV番組の映像はただUPされているだけであり、そこに何らかの意見表明がなされているわけではない。

例えばBLOGなどで記事を書いていて、その際のモチーフとして映像を使っているというのであれば、そういう解釈もなりたつのだけれど、「YouTube」単体で捉えた場合、「引用」とは言えないだろう。YouTubeが、少なくとも独立したサイトである限り、例えリンク先をBLOGなどに貼り付けることが可能であったとしても、「引用」という範囲を超えるだろう。

では、仮にBLOG提供事業者がそのデータ領域に各個人が動画をUPできる領域を設けた場合はどうか?あるいはYouTubeが動画単体を検索などして閲覧することができず、あくまで通常のホスティングサービスのように配信サーバを貸し出すだけだとしたらどうか?

こうなると(現在の著作権の扱いは別として)中島さんの説は俄然可能性を持つこととなる。

とはいっても、実際には、それが一部なのかそうでないのか(あるいは全部なのか)という判断は見ないことにはできないし、今のYouTubeがそうであるように、誰もそんな管理はできない。30分番組の中から5分を抜き出したものとミュージックビデオをまるまる5分録画したものと、その違いをどう判断したらいいのだろう。となると、著作権法が変わったとしても実行するための仕組みがないということになる。

例えばすべてがデジタル化され、テレビ番組やあるいはそれ以外に流通しているデジタル素材のすべてに何らかのメタデータが施され、「これは30分番組の一部である」「これはミュージックビデオのDVD映像からCOPYされたものである」といった情報の管理が可能になったとき、合法的にも社会システム的にも、動画の一部を抜き出し「引用」するといったことが可能になるのかもしれない。




2 コメント

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ごぶさたです (跳箱管理人)
2006-07-22 06:50:41
メタデータ作るの大変だなぁ...。制作段階で制作作業の一環として埋め込まないとね。



http://www.nhk.or.jp/strl/mpf/index.htm



とか、もっと後退すると



http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040806_4.html



とか。



仰るところにはもろ手を挙げて賛成であります。
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Unknown (beer)
2006-07-22 15:40:21
しかも編集・加工されてもメタデータやコンテンツIDを引き継げるようにしないと行けないので、これは国策か標準化団体みたいなところでやってもらわないと難しいですね。きっと。
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