ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

定期購読誌の支払方法にみるビジネスモデル

2012年09月05日 | ビジネス
通販を中心に販売しているIT業界向け専門誌から勧誘の電話があった。まぁ、昔から購読しては止め、またしばらくしたら購読するというパターンが続いているので、このタイミングで連絡してくるのはあながち間違いではない。

購読を止めた理由は単純で「電子書籍」版がないから。正直、IT系のノウハウや事例が詰まっている雑誌なので、しばらくするとそこで紹介された技術や内容は「古く」なってしまう反面、ちょっとした時に過去のそういった情報が欲しくなる。捨てるに捨てられないし、かといって貯まっていくだけで邪魔になる。

また結局、必要になるのは職場だけで、実際に読む時間があるのは通勤や自宅ということで、「欲しい時に欲しい情報」にアクセスするとなると、ハード的な書籍ではなくiPadやスマホ、場合によってはPCでも閲覧可能な「電子書籍」の方が圧倒的に便利なのだ。かといって「自炊」するほど手間はかけたくないし。

そんなこともあって定期購読を止めていたのだけれど(定期購読中に「電子書籍」版が出ても嫌だし)、しばらくは「電子書籍」化の予定もないし、「半年間限定」で「割引」するのでどうだろうか、と。

で、支払方法については「クレジット」と郵便局やコンビニでの「振込み」があるという。

1)クレジットカード払いなら「振込み」に比べて10%OFFになるが、1ヶ月前に「止める」という意思表示がない場合、「一年間」の自動継続となる。

2)「振込み」の場合、特に意思表示しなくても契約期間(今回は半年)が過ぎると終了となる。ただし2ヶ月程度次の継続の意思を確認するために雑誌は送るとのこと。(月一冊なので2冊程度)

果たしてどちらが「得」なのだろうか。

振込み手数料を含まないとし、仮に一冊1,000円だとしよう。

支払う金額だけを考えると

1) 1,000円/月×90%×6ヶ月×5,400円
2) 1,000円/月×6ヶ月×6,000円

ただし一冊あたりの単価を考えると、

1) 1,000円/冊×90%=900円/冊

「振込み」の場合は2冊おまけがつくとすると、

2) 1,000円/月×6ヶ月÷(6冊+2冊)=750円/冊

となる。今回は特別に「半年」だったけれど、通常の1年契約の場合はどうだろう。

1) 1,000円/冊×90%=900円/冊
2) 1,000円/月×12ヶ月÷(12冊+2冊)=857円/冊

つまりクレジット払いは支払い金額こそ安いが、一冊あたりの単価は高く、かつ「自動継続」となるため出版社にとってはメリットの多いモデルということになる。これに対し振込み払いの方は契約期間終了の後、直ぐに更新しなければ(おまけ期間を考慮すれば)、こちらの方が一冊あたりの単価は安くなる。

この数百円をそのたびに申し込む手間と比較してどうかという話はあるけれど、仮に出版社側が「安定」した読者を確保するために「クレジット払い」を押すのだとすると、10%OFFではなく、15%以上の割引をないと訴求力はないのだろう。


コメントを投稿