ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

ハンバーガーを食べながら考えてみた。

2011年12月29日 | ビジネス
ロードサイドショップが立ち並ぶ16号沿い。近所に新しいマクドナルドがOPENしたので、昼飯がてらに覗いてみる。仕事中の時間調整にお茶することはあっても、こういった郊外型のマックに、しかもハンバーガーを食べる目的で入るなんて久しぶりのことだ。

これは別に「スーパーサイズ・ミー」の影響というわけではなく、単に味覚の問題。モスやレストランなんかのハンバーガーは嫌いではないけれど、マクドナルドやロッテリア何かはどうも受け入れられない。そんなこともあって数年振りにダブルチーズバーガーを食べたんだけど、何となく、その中で考えたことを(味覚の話ではありません!)。

ラジオCMなんかを聞いている人なら知っているかもしれないけれど、マックの店内では、PCを利用するための「電源」や「無線LAN」(Yahoo!BBモバイル)が用意されている。そして今日行った郊外型の座席などは非常に座りやすくなっていて、食事やお茶をしながらPCでインターネットをしたり、作業をしたりできるようになっている。

これは一昔前を知っている人からすると違和感を感じるかもしれない。マックに限らずドトールなど、低価格の飲食店の場合、「回転率」をどう高めるかが重要な問題だ。例えば、ドトールでコーヒー1杯は200円前後。せいぜい1人で飲む量なんて1~2杯程度、サイドメニューがあるとはいえ、客単価は300円程度。エクセルシオールで410円程度。マックの場合、セットメニューの豊富さもあり、客単価は600円前後というところだろう。

「売上=客単価×顧客数」である以上、また店舗の面積には制約がある以上、回転率をどうあげるかは大事な問題だ。以前であれば、そのために、「すわり心地がいい」とは言えないような椅子が採用されたりして、店内で食する顧客に(無意識的に)長居させない戦略がとられていたと思う。古いお店で、座席の間隔が妙に狭かったり、椅子が必要以上に固かったりするのはそのせいだろう。

しかしそれに反して、最近のマックや7&i系の外食チェーンでは、無線LANを環境を用意するなど「長居」してもらう店舗作りへと変わってきた。ここに「回転率」重視から「リピート率」重視への戦略の切り替えを感じるのは僕だけだろうか。

外食産業をとりまく環境は厳しい。

もちろんデフレ傾向が続いたり、内向き志向が強まったということもあるが、それ以上に「人口減少社会」の到来を考えると、国内外食市場のパイが縮小していくしかないからだ。

現在の日本人口が1.28億人。しかしそれが2050年には1億人を下回ると予想されている。それだけでない。人口ピラミッドの構成でいくと、2050年の一番人口の多いゾーンが80代前後となる。もちろんこの頃のこの世代はマックを始めとした外食産業で育ってきた世代ではあるだろうが、それでも経年による味覚の変化もあるだろうし、頻繁に外食に出かけられるほどの財力や体力があるかどうかもわからない。

もちろん成長豊かな海外市場へうって出るという手もある。

しかしそこには各国の「味覚」の違い、従業員の質やオペレーションの違い、為替リスクのようなものも存在する。市場規模が拡大していたとしても、国内でチェーン展開するのとは別種のリスクが存在しているのだ。

確実に縮小していく国内市場の中で、基盤を確保するためにも、生き残りをかけた「顧客の囲い込み」が必要になってくるのだ。

それを見越してというと言い過ぎかもしれないが、例えば「低価格」を売りにした牛丼戦争などは単に消耗戦に過ぎない。、価格を軸とした囲い込みでは一時的には優劣はつくかもしれないが、次から次に新しい挑戦者が現れ継続的に勝ち続けることは難しい。

だからこそ、「快適な空間」「いたくなる仕掛け」を作ることは大事なのだろう。



コメントを投稿